こだま堂漢方薬局

「多摩市の漢方薬局」「府中市の漢方薬局」漢方専門薬剤師が一人一人の体調・体質に合わせて漢方薬の調合をおこなっております。薬だけに頼らず、可視総合光線療法を取り入れ自己治癒力を高めることをモットーにしています。健康相談や健康食品・ハーブのお取り寄せもおこなっておりますのでお気軽にお立ち寄り下さい。

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平均寿命と健康寿命

日曜日, 6月 9th, 2024

最近、高齢者の年齢を65歳から70歳に引き上げるというニュースが話題になりました。
昔は60歳から高齢者という定義だったと思いますので、その時代から考えると10歳も差があることになります。

たしかに今の60歳の方を高齢者扱いしたら失礼になると思いますし、70歳でやっと昔の60歳くらいの印象に感じます。
厚生労働省HPから平均寿命の推移を確認してみると、1955年では男性63.60歳、女性67.75歳、2019年では男性81.41歳、女性87.45歳となっています。
70年前は平均寿命が60代だったとは驚きですね。(戦争など時代背景もあるかもしれません)

平均寿命は20歳ほど長くなっていますが、もうひとつ考慮しなければならないのが健康寿命です。
2019年の健康寿命はなんと、男性72.68歳、女性が75.38歳で、平均寿命から約10歳の開きがあります。
この健康寿命というのは、病気にかかっているかどうか?ではなくて、何らかの介助・介護を必要とせず、自活できる年齢ということになります。例えば、高血圧やコレステロールの薬を飲んでいるだけの方は、健康な方に分類されます。
逆に言うと、平均的な方が10年近い何らかの介助・介護を必要とする期間があるということです。恐ろしいと思いませんか?!

皆さんが望む「ピンピンコロリ」を実現するためにはどうしたら良いのでしょうか?
それが東洋医学の「養生」という考えが重要になります。

老化を防止するためには「補腎」の考えが重要です。東洋医学では腎は「精」を蔵するところで、精は生命エネルギーの源です。精を使い切ると寿命を迎えます。なので、腎を補って、精を補充することが健康で長生きのポイントです。

腎虚の体質はどんな状態でしょうか?例えば、足腰が弱っている、足が怠い、腰痛、膝痛、疲れやすい、白内障、骨粗鬆症、耳の聞こえが悪い、早く閉経した、歯が弱い、物忘れが多い、白髪が多い、髪が薄い、頻尿、前立腺肥大、尿漏れ、夜間尿が多い、精力低下・・・つまりは老化とともに目立ってくる症状そのものです。若くても老化の症状が早くでてくる人は「腎虚」の体質に注意が必要です。

漢方薬で補腎に使う生薬は?というと、亀板、鹿角、鹿茸、海馬・・・など動物性のものをよく使います。中でも鹿茸は成長過程の鹿の角になりますので、造血作用が強いことが知られています。腎の中で燃やしている生命力「命門の火」の燃料となる生薬とされています。食べ物では、山芋や牡蠣、うなぎ、スッポンなど俗に言う「精力をつける」といわれているものが補腎の働きがあります。
食べ物だけでなく、運動も腎の強化には役立ちます。筋肉は東洋医学的には「肝」の器官に属しますが、肝腎要と言うように肝・腎は密接な関わりがあります。下半身の筋肉を付けることで血行が良くなり、腎臓の機能も良くなるからです。

老後に関しては、多くのみなさんが心配される部分ではありますが、長く健康で過ごせることが一番の安心材料ではないでしょうか?

東洋医学は、健康寿命延長に貢献できることを自信を持ってオススメできますので、是非ご活用くださいね。

7月の臨時休業

土曜日, 6月 1st, 2024

7月の臨時休業

聖蹟桜ヶ丘店:14日(日)、29日(月)

府中店:14日(日)、21日(日)、29日(月)

ご迷惑おかけしますがよろしくお願いいたします。

耳鳴り

金曜日, 5月 17th, 2024

漢方薬局でご相談が多い症状の一つに、耳鳴りがあります。

突発性難聴などで、急性に生じた耳鳴りに対しては、まずは耳鼻科にかかることが先決です。しかし、慢性化した耳鳴りは多くの場合、耳鼻科でもお手上げになってしまい、耳鳴りに慣らすTRT(音響療法)や、聞こえが悪い場合は補聴器、気を紛らわすために精神薬の服用など、耳鳴りそのものを治療することは難しいようです。

東洋医学でも、耳鳴りは簡単に改善できる症状ではありませんが、鍼灸や漢方で良くなる方も結構いらっしゃいます。

 

耳鳴りの体質・原因(証)の代表的なものをご紹介します。

①風邪(ふうじゃ)が原因の耳鳴り

文字通り、「風邪(かぜ)」をきっかけに生じる場合もありますし、中耳炎など耳の炎症の場合も含まれます。風邪には「風寒邪」と「風熱邪」がありますが、特に「風熱邪」の方が耳鳴りの原因になりやすいようです。風邪は動きが早い邪気なので、発症は急で迅速です。風邪は耳をふさぐと耳鳴りが起こると考えるので、疏風・散邪・通竅といった治療をします。熱証を伴う場合は清熱薬などを併用します。

 

②肝火(かんか)が原因の耳鳴り

肝の臓に熱邪が侵入し、肝火となって耳を侵襲し、耳鳴りを起こしたものです。肝火の原因になるのは、怒り、ストレス、血圧上昇などで、ストレスや過労による突発性難聴も肝火が原因です。音はピーまたは、キーンといった高音で聞こえることが多いです。40代・50代のストレスが多く、忙しい世代に多いタイプの耳鳴りです。清熱・瀉肝・理気などの治療をします。

 

③痰火(たんか)が原因の耳鳴り

痰火とは、体内に停滞した痰湿の邪気に熱邪が加わったものです。痰は湿邪なので、その影響を受けやすい胃腸の症状を伴うことが多く、めまいや吐き気、気持ち悪い、舌苔が多いなどの特徴があり、代表的なものはメニエール病からの耳鳴りです。痰を取り除かなければ耳鳴りが良くならないので、胃腸の痰を除くことも重要です。また、もともと痰湿の病邪を持っていた方が肝火によって痰火へ変化することもありますので、肝火と痰火を合わせて治療が必要な場合があります。

 

④腎虚(じんきょ)が原因の耳鳴り

腎は生命力の源である「精」を蓄えておく臓で、腎虚を簡単に言うと老化現象ともいえます。特別思い当たる原因やきっかけがなく、気づいたら耳鳴りが始まっていて、だんだん気になるようになったので病院に行ってみたというケースが多いです。このタイプの耳鳴りは慢性化しているケースがほとんどですので、中には多少良くなる方もいらっしゃいますが、完治は難しいでしょう。なので、治すのを目標とするより、それ以上悪化させない、耳の老化を防止していくという考えで治療していくのがオススメです。

 

他にも耳鳴りの体質はありますが、よくある体質は以上です。

また、栄養学的な観点から、貧血や鉄不足が原因で耳鳴りを起こす方もいらっしゃるようです。現在は市販されていない方剤になりますが、「耳鳴丸」という漢方薬には、磁石という鉄を補充するための生薬が配合されていました。(六味丸+柴胡・磁石)磁石は胃もたれしやすいので、耳鳴丸を使ったことはほとんどありませんでしたが、サプリメントの鉄でも補充はできますので、思い当たる方は試してみても良いと思います。

耳鳴りの治療期間としては、治りやすいものでも1か月以上、平均すると3か月~半年は服用しないと改善の兆しはわかりにくいようです。一つの目安として、まずは3か月を目標に漢方薬を服用してみてはいかがでしょうか?

 

6月の臨時休業

月曜日, 4月 22nd, 2024

6月の臨時休業

聖蹟桜ヶ丘店:9日(日)、10日(月)、24日(月)

府中店:9日(日)、10日(月)、24日(月)

ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いいたします。

漢方薬の剤型による違い

金曜日, 4月 5th, 2024

漢方薬を服用するときに一番気になるのは、味と匂いではないでしょうか?

私ももともとは漢方薬の匂いが苦手・・・というより、化粧品やハーブ、セロリなど匂いが強いもの全般が苦手でした。ですが、今は全く気になりませんので、慣れはあるのかな?と思います。(セロリも食べられるようになりました!)

こだま堂に初めて来て「漢方のいい匂いがする」というお客様もいれば、子どもさんだと「臭いから外で待ってる!」と、感じ方はいろいろですね。

さて、その匂いや味ですが、剤型によってかなり差があります。

 病院で使われる漢方薬や市販の漢方薬は「エキス顆粒」というタイプで、現在の主流です。製法は生薬を煎じて得られた水溶液(湯液)を、凍結乾燥や噴霧乾燥などの製法で乾燥させ、顆粒状にします。1回服用分毎に持ち歩けますし、比較的飲みやすい剤型です。難点としては、加工する過程で湯液に含まれる浮遊物質は濾過され、噴霧乾燥すると揮発性の有効成分が失われやすいことから、もともとの湯液の状態より薬効が低下してしまうことです。漢方薬局で扱っているエキス顆粒の中には、中成薬など生薬では手に入らない原料を使っているものもあるので、保険の漢方薬や煎じ薬にはない種類の漢方薬もあります。

 エキス顆粒を固めたものが「錠剤」です。化学薬品と違い、漢方薬の場合は容量が多くなってしまうので3~8錠など錠数が多くなってしまうのは難点です。煎じ薬もエキス顆粒も飲めない方には錠剤を使うことになりますが、1回に1錠ずつしか飲み込めない方にはちょっと辛いかもしれません。また、種類が限られるのも難点です。

 錠剤と似ていて少し異なるものは「丸薬」です。エキス顆粒を丸薬にしたものもありますが、古来の丸薬は生薬の粉末をハチミツや生薬の絞り汁などを使って丸めたものになります。丸薬は錠剤と異なり、プレスして製造するものではないので、1粒1粒の大きさにばらつきが出やすく、湿度や生薬に含有される水分や油分で出来上がりにムラができやすいため、近年製造が難しくなっている剤型です。

 生薬の粉末で作られた漢方薬は「散剤」と言います。エキス顆粒と異なり、水抽出ではなく、生薬そのものの粉末です。メーカーによっては、造粒して飲みやすく加工しているものもありますが、ほとんどは細かい微粉末で、1回服用量が1.5~3gと大量になるので、かなり飲みにくい形状です。しかし、散剤のメリットは、水に溶けにくい成分や揮発性の成分が失われずに残っているので、そのような薬用成分が多く含まれます。揮発性の香り成分は東洋医学で言う「気」の流れを良くする働きに優れているので、「気の流れを良くしたい」体質の治療によく用いられます。メーカーによっては、エキスと散を合わせて、飲みやすく効き目をよくした漢方薬を作っているところもあります。

 漢方らしい漢方薬といえば、「煎じ薬」でしょう。エキス顆粒の素となる湯液のことです。薬草を煎じて煮出したものを1日3回に分けて服用します。葛根湯のように「○○湯」と書かれていれば、煎じ薬、当帰芍薬散のように「○○散」なら散剤で使われてきた漢方薬です。「当帰芍薬散料」と書いてあれば、当帰芍薬散と同じ薬草を使って煎じ薬にしたものですが、薬草の配合量・配合比などは異なるので、厳密には別物と考えるべきです。慣れてしまえば、煎じるのは難しくありませんが、家中匂うのが家族に不評で、煎じパックをご希望される方が多いです。煎じ薬のメリットは、濃く煮出せば生薬の量が多くても1回100CC前後のお茶として飲めるので、味はともかく服用量を増やさずに飲むことができます。動物性の生薬は、煎じると臭みが出るので、阿膠以外は煎じ薬に入れることはあまりありません。例えば、鹿茸や牛黄などは丸薬で用います。

 その他、チンキ剤と言って生薬をアルコールに浸けて薬用酒にしたものや、シロップなど砂糖を加えて甘く飲みやすくしたもの、薬草の粉末や絞り汁、ハチミツなどを加えてペースト状にした膏剤などがあります。甘くて美味しい漢方薬は、主に補剤と言って、日々気血を補って健康維持に使われます。

 飲み薬の他に、外用剤もあって、紫雲膏や中黄膏などの軟膏、水虫薬のドキンピチンキがあります。変わったところで、薬局製造業で許可されている方剤として、目を洗う蒸眼一方という処方もありますが、作ることはまずないと思います。

 可能であれば、漢方薬の剤型によって一番効果を発揮できるタイプを服用していただけるとより効果的ですが、どうしても飲みにくいものもあると思います。

特にシナモンやセロリが苦手な方には飲みにくい漢方薬があるので、その旨をお伝えいただくのも良いかもしれません。

漢方薬局では幅広い製剤を扱っているので、そのような味の好き嫌いなども含めて相談してみてください。

【2024】花粉症と漢方治療:自然療法で春を迎える

火曜日, 2月 20th, 2024

【2024】花粉症と漢方治療:自然療法で春を迎える

春の訪れと共に、多くの人々が花粉症の症状に悩まされる時期がやってきました。2024年は、例年に比べて2週間も早く春一番が吹き、それに伴い花粉の飛散も早まっています。
最近は、眠くならないアレルギーの新薬や減感作療法など治療方法が増えてきたこともあり、昔よりも花粉症の漢方相談は減ったように思いますが、化学的な医薬品が体質に合わない方や漢方薬の方が調子良く過ごせる方、体質を改善したい方などがご相談にいらっしゃっています。

『漢方治療とは』

漢方治療は、個々の体質や症状に合わせて、自然界から得られる薬草を組み合わせて治療する方法です。
花粉症に対しても、漢方薬はその症状の緩和や根本的な体質改善に有効とされています。

花粉症の症状に効く漢方薬

花粉症の症状に使われる漢方薬として、よく知られているものは「小青竜湯しょうせいりゅうとう」です。
これは、鼻水や薄い痰が多い咳に効果があるとされ、特にポタポタ水のように垂れるような鼻水に対して使用されます。
小青竜湯しょうせいりゅうとうの成分は、体を温める効果のある薬草で構成されており、体内の冷えによって溜まった「水毒」を解消することを目的としています。
小青竜湯しょうせいりゅうとう
配合生薬は、
麻黄まおう3・芍薬しゃくやく3・乾姜かんきょう3・甘草3・桂皮3・細辛3・五味子ごみし3・半夏6となっていて、主に温める薬草の配合です。
水のような鼻水は、冷えた水が溜まっている水毒体質と考えますので、温める生薬が効果的なのです。

しかし、冷えた水が溜まった体質とノドが乾くなどの熱の症状を併せ持つ場合もあり、それには清熱作用のある生薬の石膏を加えた「小青竜湯しょうせいりゅうとう加石膏かせっこう」の方が良いかもしれません。
そして、小青竜湯しょうせいりゅうとうに入っている「麻黄まおう」が強く効いてしまい、眠れない、動悸がするという体質の方には、「苓甘姜味辛夏仁湯りょうかんきょうみしんげにんとう」という小青竜湯しょうせいりゅうとうから麻黄まおうを抜いた漢方薬もあります。
また、症状が酷い方は、煎じ薬の方がオススメです。

熱感のある鼻づまりや粘性のある鼻水、目のかゆみ、皮膚の痒みなどの症状には、「辛夷清肺湯しんいせいはいとう」が有効です。
これは熱を取り除き、鼻炎を改善する効果があります。
清熱薬としての成分が配合され、鼻通りを良くする効果が期待されます。
水のような鼻水では無くて、熱感のある鼻づまりや、粘性のある鼻水、目のかゆみ、皮膚の痒みの症状の花粉症には小青竜湯しょうせいりゅうとうは効きません。
というのも、これらは熱の症状が強いので、温める小青竜湯しょうせいりゅうとうではかえって悪化する可能性があるからです。
熱を取って鼻炎を改善する漢方薬としては、「辛夷清肺湯しんいせいはいとう」があげられます。
辛夷清肺湯しんいせいはいとうは、慢性鼻炎、蓄膿症などに用いられる漢方薬で、
配合生薬は、
知母3・黄ゴン3・山梔子くちなし1.5・麦門冬ばくもんどう6・石膏6・升麻しょうま3・辛夷こぶし3・百合3・枇杷葉びわよう1です。

知母・黄ゴン・山梔子くちなし・石膏は清熱薬で、鼻水の粘性を下げる麦門冬ばくもんどう・百合、通鼻作用の辛夷こぶしが入っています。辛夷こぶしは早春に咲くコブシの花のつぼみで、香りを嗅ぐだけでも確かに鼻通りが良くなりそうな良い香りがします。
鼻通りが良くなる薬草といえば、多くの方がイメージする薄荷はっかも花粉症の養生にオススメです。マスクにミントのスプレーをしている方もいらっしゃいますね。薄荷はっかは漢方薬としてもよく使われますが、薄荷はっかと菊の花をブレンドしたお茶は、目の充血を緩和する養生法としてよく知られています。
漢方で使う菊の花には2種類あって「杭菊花こうきくか」と「野菊花」があります。清熱作用が強いのは野菊花の方ですが、苦みが強く、杭菊花こうきくかの方が香りが良く美味しいお茶になります。
薬効をとるか、おいしさをとるか、悩みどころかもしれません・・・。

また、抗アレルギー作用がある身近な薬草として注目されているのは紫蘇です。
刺身のツマに添えられているのは、魚毒による蕁麻疹の予防として、昔の知恵なのです。
広島大学の研究で、アトピー性皮膚炎のモデルマウスに5%の赤ジソをエサに混ぜて食べさせるという実験が紹介されていました。
その実験では、赤ジソを食べさせたマウスは、食べていないマウスと比べて、皮膚の乾燥や耳の腫れなどがほとんどなく、赤ジソの抗アレルギー作用が実証されたとのことです。
漢方薬で使われる紫蘇も赤ジソの仲間で、紫のちりめん紫蘇を乾燥したものです。
人間の食事量の換算で5%の紫蘇を食べるのはなかなか難しそうですが、「紫蘇茶」にすれば続けやすいと思います。こだま堂にも「紫蘇茶」を養生のお茶として気に入って飲んでいる方がいらっしゃいます。
漢方薬の薬草の中には、食品として長年親しまれてきたものも少なくありません。化学的な薬と比べると即効性には欠けるかもしれませんが、養生として使うことでアレルギー症状の緩和にも有用かと思います。

自然療法としての漢方

漢方治療は即効性を求めるものではありませんが、長期的に見て体質改善や予防に寄与することが多くの専門家によって指摘されています。
また、漢方薬を活用した生活習慣、例えば紫蘇茶の摂取や薄荷はっか、菊の花をブレンドしたお茶の摂取は、花粉症の症状緩和だけでなく、日々の健康維持にも役立ちます。

花粉症で苦しむ方々は、化学薬品だけに頼るのではなく、漢方治療のような自然療法も検討することで、より健康的な春の季節を過ごすことができるかもしれません。
上記に紹介した以外にも色々な種類の漢方薬が花粉症の症状への応用として使うことができますので、ぜひお気軽に相談に来てみて下さいね。

血が足りないと精神を病む?

金曜日, 2月 16th, 2024

東洋医学で、血に関して特につながりが深い臓器は「肝」と「心」です。肝は血を蔵する役割があり、心は血を循環させる働きがあります。血虚証というと、全体的な血が足りない様子を指しますが、より細かく分析すると「肝血虚証」や「心血虚証」という体質があります。

血が足りない症状として、顔色が悪い、目の下にクマがある、頭のふらつき、かすみ目、爪が弱い、舌が白っぽい・・・などがあります。皮膚は最も外側の組織で、血の栄養が届きにくいですから、血色が悪く見えます。女性は毎月の生理がありますので、多くの方が多少なりとも血虚証に入るかもしれません。

肝血虚証と心血虚証の違いは、それそれが関係し合っていますので、明確に線引きして分けられるわけではありませんが、症状にいくつか特徴があります。

肝血虚証は、肝に通じる器官である目や爪の異常、筋肉の症状・・・例えば足がつりやすい、ぴくぴくする、こわばるといった症状の他、肝の血が足りないと気が高ぶりやすくなるので、イライラしたり、短気になるなどの精神症状が現れます。まぶた周辺のぴくぴくする症状は、ストレスを感じると増えやすいと思いませんか?

肝は気を調節する臓器でもありますので、ストレスなどの邪気を受けやすく、ストレス症状の初期に当たることが多いように思います。

心血虚証は、心臓そのものの症状である動悸や、眠りが浅い、寝付きが悪い、頭がぼーっとする、健忘、精神症状として焦燥感、不安感、悲哀感など胸にぽっかり穴があいたような感じが現れます。

ストレス症状が続いて、より精神が消耗してくると心血虚証の症状が現れやすくなります。イライラしているうちは、まだ気が残っていますが、それすらも足りなくなると無気力になって、学校や仕事に行けない、部屋から出たくない、何もしたくない・・・となってしまうでしょう。

血を蔵するのは肝の役割なので、肝の血が足りなければ他の臓腑にも及びます。初めは肝血不足がベースにあって、それが心に波及して心血虚証になるとも考えられます。

血は体中に栄養を与えるために脈の中を流れます。流す力は心の気で、気血は一緒に巡っています。血には精神活動を支える働きもありますが、これは分子栄養学の「脳の栄養不足でうつ病になる」という考えにも通じると思います。

精神的な病気になったとき、薬だけで治療しようとすると上手くいかない場合があります。抗うつ薬の作用は、主にセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の再取り込み阻害作用で、見かけ上それらをシナプス間隙に増やすだけなので、自力で生合成して分泌量を調節できるようにならないと本当の意味では完治と言えないでしょう。

そのためには、栄養を摂取して、血を増やさなければなりません。血を増やす生薬には、当帰やなつめ、竜眼肉などいくつかありますが、どれも薬膳など食養生でも利用できる栄養豊富な薬草でもあります。天然のミネラルが豊富な生薬の竜骨や牡蠣は、安神薬に属し、精神安定作用があるとされています。漢方薬には、生薬の薬用成分と共に栄養素も含まれているのが、化学薬品にはないメリットだと思います。

 

 

 

 

あなたの疲れはどんな疲れ?(子ども・若者編)

金曜日, 2月 9th, 2024

若いのに「疲れた~」が口癖の子はいませんか?

実は私(長峯友恵)もそういう子どもでした・・・。40代の今よりも「疲れた~」ばかり言っていたかもしれません。

子どもの疲れの原因もいくつかありますが、大人と決定的に違うのは「成長期である」ことです。
大人は成長が終わっているので、生きていくための気血津液と、余裕がある分を腎に精として補充し、元気を維持していますが、子どもはそれにプラスして「成長で使われる気血津液・精」が必要です。

子どもの場合、授乳期から幼少期にかけては「先天の精」の存在が大きいです。まだ生きている日数が少ないですから、後天の精を充足する時間はほとんどないわけです。先天の精を補える期間は、最短で妊娠する半年前からで、妊娠してからではありません。お母さんとお父さんの生命エネルギーによって赤ちゃんが作られますが、卵子は半年かけて成熟するのです。遺伝情報が正常に伝わるには、ミス無くDNAをコピーするための酵素、遺伝子を傷つけない抗酸化物質、エネルギーを生産するミトコンドリアの数などが関わります。現実的なことを言うと、その時期の栄養状態や生活習慣によって、ある程度の卵子や精子の質が決まってしまいます。例えば、葉酸は妊娠の3~6ヶ月前から摂取することで、一部の先天性の奇形を予防できることはよく知られています。(精子は卵子よりも短いサイクルで成熟するので、3ヶ月程度と考えても良いかもしれません。また、先天の精は先祖代々受け継いでいるものですから、親世代だけの問題でもありません)

小さい頃に、疲れやすい、虚弱体質、夜尿症、喘息、成長の遅れ、歯の抜け替わりが遅い・・・などがある場合、「先天の精」が不足していると考えて、高齢世代と同じく「補腎」の治療を合わせます。食事からの栄養摂取も好き嫌いが多い年齢なので、栄養の補充も合わせて「補腎」の治療をします。

また、大人と同じように夜更かしをしている子どもさんが増えています。子どもは小さな大人ではありません。幼少期は10時間以上の睡眠時間が必要です。寝る子は育つと言いますが、成長ホルモンは寝しなの90分間に最大量分泌されることが分かっていて、あながち迷信ではないです。

小学校高学年から高校生くらいにかけてのティーンエイジャーは、体調不良の相談が増えます。この年代はその前の成長期よりも、急激に身長が伸びたり、性成熟しますので、大人の最低2倍は栄養が必要です。たまに「うちの子は太っているから栄養は足りている」という親御さんもいらっしゃるのですが、肥満は栄養が足りている根拠にはなりません。不足しやすい栄養はビタミン・ミネラルで、太る要素にはなりません。あくまでも炭水化物に偏った食事をして肥満になっているのであって、新陳代謝も悪くなっている可能性があります。

多い訴えは、疲れやすい、寝起きが悪い、特に朝は調子が悪い、イライラしやすい、集中力が無いなどです。それが原因で学校に行けなかったり、勉強が遅れてしまう子、受験のタイミングを逃してしまう子もいます。
難しいのは、親の言うことを聞かなくなっている年代なので、飲みにくく、効果が出るのに時間がかかる漢方薬は飲んでくれないことも多いです。

ですが、ほぼ間違いなく栄養不足がベースにありますので、無理して漢方薬は使わずに、食事指導と不足しやすい栄養の補給だけでも、体調が良くなってくると思います。

成長期が過ぎると、成長に使われていた分の栄養を腎精の補充に充てることができるようになるので、自然に症状は収まってくることがほとんどです。ですが、その期間にロスした分はその後の体質に影響があるかもしれません。例えば10代に運動をしていた子とそうでない人は、その後の運動能力や骨密度などに影響があるそうです。具合が悪くて、休んでばかりいたことが、後に影響するのは、私自身も何となく感じます。

現代は大人が忙しすぎて、子どもに構ってあげられないことが増えているような気もします。
子どもが健康でいられるために、大人がもっと余裕のある社会になったらいいですね。

あなたの疲れはどんな疲れ?(高齢世代編)

金曜日, 2月 2nd, 2024

年だから仕方ない・・・なんでも年のせいにしてはいませんか?

とはいえ、医療者側も患者さんに「年のせいですね」と言うことは多々ありますので、反省しなくてはいけませんね。

年のせいでどうにもならない事はありますが、生きている限り「再生力」があります。再生力があるからこそ、今生きていられるのです。

高齢世代の疲れは、過去に紹介した「気虚」の体質だけではなく、「腎虚(じんきょ)」の存在を考えなければなりません。

「腎虚」とは、生命エネルギーの源である「精」が消耗して、各臓腑に生命エネルギーを供給できなくなっている症状です。老化現象全般が「腎虚」の症状であることが多いです。

「腎虚」の症状としては、泌尿器の慢性症状(頻尿など)、白髪・脱毛、歯のぐらつき・脱落、足腰の怠さ、腰痛・膝痛、記憶力の低下、動作が緩慢になる、耳鳴り、筋肉の軟弱化、動脈硬化、性機能の減退、白内障・・・などなど、どの症状もいずれはたどる道かもしれませんが、出来れば後の方まで回避したいですよね。

生命エネルギーの源の「精」とは、「鰻を食べて精をつける」という言葉に象徴されるように、元気の素のようなもので、専門的に説明すると親からもらった「先天の精」と自分で増やしていく「後天の精」から出来ています。先天の精は、現代医学的に言うとDNAになりますので、生まれ持った体質・能力ですから、増やしたり改善することはできません。後天の精は、生命活動の中で腎に貯蓄していく生命力になりますので、生活習慣が大きく関わってきます。(精は腎に貯蔵されるので、「腎精」と呼ばれることもあります)

この「精」を使い切ったときに命の終わりを迎えます。
ですので、命の終わりに近づいている高齢世代には、腎の精をできるだけ保つのが元気のポイントになります。

老化に負けたくない!元気になりたい!という高齢世代の方に覚悟してもらいたいのは、「すぐに効果が出ません!」ということです。
若いときよりも自然治癒力は落ちているし、胃腸が弱って消化吸収も低下しています。何かしら不調もあって精の消耗が多くなりますので、それに抗って「精」を増やしていくのですから、長期戦での努力が必要です。

実際、若い世代なら数日~数週間、長くともせいぜい数ヶ月で元気になるようなことも、数年がかりになることは少なくありません。
ですが、1年、2年はあっという間です。もし3年前から努力していたら、今は全く違う元気さがあったとしたら、そんなに長くないような気がしませんか?

「腎虚」を改善させるには、「補気」や「補血」の治療薬では力不足です。もちろん補気・補血も重要ですが、同時に「補腎」という治療をしていきます。腎には、腎陽と腎陰があり、腎陽が不足すると冷えが生じ、腎陰が不足すると不快感を伴う熱症状が生じます。その体質を見極めながら、「補腎」の漢方薬を常用して、「腎精」を補充していきます。

また、腎を強くするには足腰を鍛える運動が必須です。漢方薬にも「強筋骨」という働きのある生薬は、補腎の治療に欠かせません。足の筋肉が衰えると、重力で下がった血液を上に押し戻すことが出来ずに停滞します。血流が悪くなることは腎の機能を低下させるからです。疲れるからと言って、安静にしてばかりいると、高齢世代は弱っていくのが早いです。多少無理をしてでも動かなくてはなりません。運動器に異常があって自己流の運動が心配な方は、専門家の指示の元、トレーニング方法をアドバイスしてもらってください。80代からスポーツジムに通って、90代で前よりも元気!という方もいらっしゃいますよ。

高齢世代の方の有利な点は、若い世代よりも食事に気をつけている方が多いことです。魚や野菜は若い世代よりも食べている方が多いですし、スナック菓子やケーキなど高カロリーなものは逆に食べなくなっていると思います。少食になってきているので、1品1品に良い食べ物を摂るように気をつける必要がありますが、その分悪いものを食べる機会も減っているかもしれません。

年だから・・・と諦めず、補腎と運動で元気な長生きを目指しましょう!

光線とミトコンドリア

火曜日, 1月 30th, 2024

細胞内に存在するミトコンドリアは、主要なエネルギーの生産工場としてよく知られている器官です。
どの細胞もミトコンドリアのエネルギーに依存していますので、赤血球球以外のほぼ全ての細胞に存在していますが、特にミトコンドリアが多く存在する細胞があります。

それは「褐色脂肪細胞」です。褐色脂肪細胞は、特に寒冷刺激でエネルギーを多く産生し、体温の維持を担っている細胞です。赤ちゃんの頃は多く存在しますが、成長と共に減少し、大人では鎖骨上部や肩甲骨、腎臓周囲、腋窩部、傍脊椎に分布しています。「風邪をひくと背中がゾクゾクする」という症状は、筋肉を震わせて褐色脂肪細胞を活性化させるため、と言われています。

東洋医学では、光が当たる背部は陽、影になる腹側は陰という考え方があります。背中側は太陽光線(可視光線)に当たるのが自然ということです。光線治療で肩甲骨中心部を当てると、「光線が体内に入るような感じ」で、特別な心地よさを感じる方が多くいらっしゃいます。実際、ミトコンドリアは可視光線によってエネルギー産生が増加します。植物の葉緑素に当たるのがミトコンドリアなのかもしれません。

光線によって活性化するミトコンドリアが、太陽光線に当たりやすい部位に多く分布しているのは、興味深いことです。光線治療をしていると、疲労感が取れたり、体力がついてくる方がいらっしゃいます。痛みが取れたり、冷え性がよくなるのは、光化学作用によって炎症物質が分解されたり、温熱効果で温まったりするので、効果として分かりやすいですが、体力がついてくるのは少し不思議に思いませんか?この効果はミトコンドリアが活性化して、エネルギー産生を増やした結果と考えられます。

ミトコンドリアが正常に働くためには、ビタミンやミネラル摂取の他、光線も一役買っているということです。健康を維持するために、もっと太陽光線(可視光線)に当たるようにしましょう!