こだま堂漢方薬局

「多摩市の漢方薬局」「府中市の漢方薬局」漢方専門薬剤師が一人一人の体調・体質に合わせて漢方薬の調合をおこなっております。薬だけに頼らず、可視総合光線療法を取り入れ自己治癒力を高めることをモットーにしています。健康相談や健康食品・ハーブのお取り寄せもおこなっておりますのでお気軽にお立ち寄り下さい。

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花粉症の症状にオススメの漢方薬・養生

火曜日, 2月 20th, 2024 今年は2週間も早く春一番の風が吹いたそうですが、それと一緒に花粉も飛んできたようですね! 最近は、眠くならないアレルギーの新薬や減感作療法など治療方法が増えてきたこともあり、昔よりも花粉症の漢方相談は減ったように思いますが、化学的な医薬品が体質に合わない方や漢方薬の方が調子良く過ごせる方、体質を改善したい方などがご相談にいらっしゃっています。 花粉症の症状に使われる漢方薬として、よく知られているものは「小青竜湯」です。小青竜湯は、鼻水の風邪や薄い痰が多い咳に使われる漢方薬で、ポタポタ水のように垂れるような鼻水を目標に使います。花粉症は風邪ではありませんが、似たような鼻水の症状なので、応用として小青竜湯がよく使われるようになりました。 小青竜湯の配合生薬は、麻黄3・芍薬3・乾姜3・甘草3・桂皮3・細辛3・五味子3・半夏6となっていて、主に温める薬草の配合です。水のような鼻水は、冷えた水が溜まっている水毒体質と考えますので、温める生薬が効果的なのです。しかし、冷えた水が溜まった体質とノドが乾くなどの熱の症状を併せ持つ場合もあり、それには清熱作用のある生薬の石膏を加えた「小青竜湯加石膏」の方が良いかもしれません。また、小青竜湯に入っている「麻黄」が強く効いてしまい、眠れない、動悸がするという体質の方には、「苓甘姜味辛夏仁湯」という小青竜湯から麻黄を抜いた漢方薬もあります。また、症状が酷い方は、煎じ薬の方がオススメです。 水のような鼻水では無くて、熱感のある鼻づまりや、粘性のある鼻水、目のかゆみ、皮膚の痒みの症状の花粉症には小青竜湯は効きません。というのも、これらは熱の症状が強いので、温める小青竜湯ではかえって悪化する可能性があるからです。熱を取って鼻炎を改善する漢方薬としては、「辛夷清肺湯」があげられます。辛夷清肺湯は、慢性鼻炎、蓄膿症などに用いられる漢方薬で、配合生薬は、知母3・黄ゴン3・山梔子1.5・麦門冬6・石膏6・升麻3・辛夷3・百合3・枇杷葉1です。知母・黄ゴン・山梔子・石膏は清熱薬で、鼻水の粘性を下げる麦門冬・百合、通鼻作用の辛夷が入っています。辛夷は早春に咲くコブシの花のつぼみで、香りを嗅ぐだけでも確かに鼻通りが良くなりそうな良い香りがします。 鼻通りが良くなる薬草といえば、多くの方がイメージする薄荷も花粉症の養生にオススメです。マスクにミントのスプレーをしている方もいらっしゃいますね。薄荷は漢方薬としてもよく使われますが、薄荷と菊の花をブレンドしたお茶は、目の充血を緩和する養生法としてよく知られています。漢方で使う菊の花には2種類あって「杭菊花」と「野菊花」があります。清熱作用が強いのは野菊花の方ですが、苦みが強く、杭菊花の方が香りが良く美味しいお茶になります。薬効をとるか、おいしさをとるか、悩みどころかもしれません・・・。 また、抗アレルギー作用がある身近な薬草として注目されているのは紫蘇です。刺身のツマに添えられているのは、魚毒による蕁麻疹の予防として、昔の知恵なのです。広島大学の研究で、アトピー性皮膚炎のモデルマウスに5%の赤ジソをエサに混ぜて食べさせるという実験が紹介されていました。その実験では、赤ジソを食べさせたマウスは、食べていないマウスと比べて、皮膚の乾燥や耳の腫れなどがほとんどなく、赤ジソの抗アレルギー作用が実証されたとのことです。漢方薬で使われる紫蘇も赤ジソの仲間で、紫のちりめん紫蘇を乾燥したものです。人間の食事量の換算で5%の紫蘇を食べるのはなかなか難しそうですが、「紫蘇茶」にすれば続けやすいと思います。こだま堂にも「紫蘇茶」を養生のお茶として気に入って飲んでいる方がいらっしゃいます。 漢方薬の薬草の中には、食品として長年親しまれてきたものも少なくありません。化学的な薬と比べると即効性には欠けるかもしれませんが、養生として使うことでアレルギー症状の緩和にも有用かと思います。上記に紹介した以外にも色々な種類の漢方薬が花粉症の症状への応用として使うことができますので、ぜひお気軽に相談に来てみて下さいね。

血が足りないと精神を病む?

金曜日, 2月 16th, 2024

東洋医学で、血に関して特につながりが深い臓器は「肝」と「心」です。肝は血を蔵する役割があり、心は血を循環させる働きがあります。血虚証というと、全体的な血が足りない様子を指しますが、より細かく分析すると「肝血虚証」や「心血虚証」という体質があります。

血が足りない症状として、顔色が悪い、目の下にクマがある、頭のふらつき、かすみ目、爪が弱い、舌が白っぽい・・・などがあります。皮膚は最も外側の組織で、血の栄養が届きにくいですから、血色が悪く見えます。女性は毎月の生理がありますので、多くの方が多少なりとも血虚証に入るかもしれません。

肝血虚証と心血虚証の違いは、それそれが関係し合っていますので、明確に線引きして分けられるわけではありませんが、症状にいくつか特徴があります。

肝血虚証は、肝に通じる器官である目や爪の異常、筋肉の症状・・・例えば足がつりやすい、ぴくぴくする、こわばるといった症状の他、肝の血が足りないと気が高ぶりやすくなるので、イライラしたり、短気になるなどの精神症状が現れます。まぶた周辺のぴくぴくする症状は、ストレスを感じると増えやすいと思いませんか?

肝は気を調節する臓器でもありますので、ストレスなどの邪気を受けやすく、ストレス症状の初期に当たることが多いように思います。

心血虚証は、心臓そのものの症状である動悸や、眠りが浅い、寝付きが悪い、頭がぼーっとする、健忘、精神症状として焦燥感、不安感、悲哀感など胸にぽっかり穴があいたような感じが現れます。

ストレス症状が続いて、より精神が消耗してくると心血虚証の症状が現れやすくなります。イライラしているうちは、まだ気が残っていますが、それすらも足りなくなると無気力になって、学校や仕事に行けない、部屋から出たくない、何もしたくない・・・となってしまうでしょう。

血を蔵するのは肝の役割なので、肝の血が足りなければ他の臓腑にも及びます。初めは肝血不足がベースにあって、それが心に波及して心血虚証になるとも考えられます。

血は体中に栄養を与えるために脈の中を流れます。流す力は心の気で、気血は一緒に巡っています。血には精神活動を支える働きもありますが、これは分子栄養学の「脳の栄養不足でうつ病になる」という考えにも通じると思います。

精神的な病気になったとき、薬だけで治療しようとすると上手くいかない場合があります。抗うつ薬の作用は、主にセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の再取り込み阻害作用で、見かけ上それらをシナプス間隙に増やすだけなので、自力で生合成して分泌量を調節できるようにならないと本当の意味では完治と言えないでしょう。

そのためには、栄養を摂取して、血を増やさなければなりません。血を増やす生薬には、当帰やなつめ、竜眼肉などいくつかありますが、どれも薬膳など食養生でも利用できる栄養豊富な薬草でもあります。天然のミネラルが豊富な生薬の竜骨や牡蠣は、安神薬に属し、精神安定作用があるとされています。漢方薬には、生薬の薬用成分と共に栄養素も含まれているのが、化学薬品にはないメリットだと思います。

 

 

 

 

3月の臨時休業

土曜日, 2月 10th, 2024

3月の臨時休業

聖蹟桜ヶ丘:11日(月)・24日(日)・25日(月)

府中店:11日(月)・24日(日)・25日(月)

府中店のみ6日(水)は14:30まで。

ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いいたします。

あなたの疲れはどんな疲れ?(子ども・若者編)

金曜日, 2月 9th, 2024 若いのに「疲れた~」が口癖の子はいませんか? 実は私(長峯友恵)もそういう子どもでした・・・。40代の今よりも「疲れた~」ばかり言っていたかもしれません。 子どもの疲れの原因もいくつかありますが、大人と決定的に違うのは「成長期である」ことです。 大人は成長が終わっているので、生きていくための気血津液と、余裕がある分を腎に精として補充し、元気を維持していますが、子どもはそれにプラスして「成長で使われる気血津液・精」が必要です。 子どもの場合、授乳期から幼少期にかけては「先天の精」の存在が大きいです。まだ生きている日数が少ないですから、後天の精を充足する時間はほとんどないわけです。先天の精を補える期間は、最短で妊娠する半年前からで、妊娠してからではありません。お母さんとお父さんの生命エネルギーによって赤ちゃんが作られますが、卵子は半年かけて成熟するのです。遺伝情報が正常に伝わるには、ミス無くDNAをコピーするための酵素、遺伝子を傷つけない抗酸化物質、エネルギーを生産するミトコンドリアの数などが関わります。現実的なことを言うと、その時期の栄養状態や生活習慣によって、ある程度の卵子や精子の質が決まってしまいます。例えば、葉酸は妊娠の3~6ヶ月前から摂取することで、一部の先天性の奇形を予防できることはよく知られています。(精子は卵子よりも短いサイクルで成熟するので、3ヶ月程度と考えても良いかもしれません。また、先天の精は先祖代々受け継いでいるものですから、親世代だけの問題でもありません) 小さい頃に、疲れやすい、虚弱体質、夜尿症、喘息、成長の遅れ、歯の抜け替わりが遅い・・・などがある場合、「先天の精」が不足していると考えて、高齢世代と同じく「補腎」の治療を合わせます。食事からの栄養摂取も好き嫌いが多い年齢なので、栄養の補充も合わせて「補腎」の治療をします。 また、大人と同じように夜更かしをしている子どもさんが増えています。子どもは小さな大人ではありません。幼少期は10時間以上の睡眠時間が必要です。寝る子は育つと言いますが、成長ホルモンは寝しなの90分間に最大量分泌されることが分かっていて、あながち迷信ではないです。 小学校高学年から高校生くらいにかけてのティーンエイジャーは、体調不良の相談が増えます。この年代はその前の成長期よりも、急激に身長が伸びたり、性成熟しますので、大人の最低2倍は栄養が必要です。たまに「うちの子は太っているから栄養は足りている」という親御さんもいらっしゃるのですが、肥満は栄養が足りている根拠にはなりません。不足しやすい栄養はビタミン・ミネラルで、太る要素にはなりません。あくまでも炭水化物に偏った食事をして肥満になっているのであって、新陳代謝も悪くなっている可能性があります。 多い訴えは、疲れやすい、寝起きが悪い、特に朝は調子が悪い、イライラしやすい、集中力が無いなどです。それが原因で学校に行けなかったり、勉強が遅れてしまう子、受験のタイミングを逃してしまう子もいます。 難しいのは、親の言うことを聞かなくなっている年代なので、飲みにくく、効果が出るのに時間がかかる漢方薬は飲んでくれないことも多いです。 ですが、ほぼ間違いなく栄養不足がベースにありますので、無理して漢方薬は使わずに、食事指導と不足しやすい栄養の補給だけでも、体調が良くなってくると思います。 成長期が過ぎると、成長に使われていた分の栄養を腎精の補充に充てることができるようになるので、自然に症状は収まってくることがほとんどです。ですが、その期間にロスした分はその後の体質に影響があるかもしれません。例えば10代に運動をしていた子とそうでない人は、その後の運動能力や骨密度などに影響があるそうです。具合が悪くて、休んでばかりいたことが、後に影響するのは、私自身も何となく感じます。 現代は大人が忙しすぎて、子どもに構ってあげられないことが増えているような気もします。 子どもが健康でいられるために、大人がもっと余裕のある社会になったらいいですね。

あなたの疲れはどんな疲れ?(高齢世代編)

金曜日, 2月 2nd, 2024 年だから仕方ない・・・なんでも年のせいにしてはいませんか? とはいえ、医療者側も患者さんに「年のせいですね」と言うことは多々ありますので、反省しなくてはいけませんね。 年のせいでどうにもならない事はありますが、生きている限り「再生力」があります。再生力があるからこそ、今生きていられるのです。 高齢世代の疲れは、過去に紹介した「気虚」の体質だけではなく、「腎虚(じんきょ)」の存在を考えなければなりません。 「腎虚」とは、生命エネルギーの源である「精」が消耗して、各臓腑に生命エネルギーを供給できなくなっている症状です。老化現象全般が「腎虚」の症状であることが多いです。 「腎虚」の症状としては、泌尿器の慢性症状(頻尿など)、白髪・脱毛、歯のぐらつき・脱落、足腰の怠さ、腰痛・膝痛、記憶力の低下、動作が緩慢になる、耳鳴り、筋肉の軟弱化、動脈硬化、性機能の減退、白内障・・・などなど、どの症状もいずれはたどる道かもしれませんが、出来れば後の方まで回避したいですよね。 生命エネルギーの源の「精」とは、「鰻を食べて精をつける」という言葉に象徴されるように、元気の素のようなもので、専門的に説明すると親からもらった「先天の精」と自分で増やしていく「後天の精」から出来ています。先天の精は、現代医学的に言うとDNAになりますので、生まれ持った体質・能力ですから、増やしたり改善することはできません。後天の精は、生命活動の中で腎に貯蓄していく生命力になりますので、生活習慣が大きく関わってきます。(精は腎に貯蔵されるので、「腎精」と呼ばれることもあります) この「精」を使い切ったときに命の終わりを迎えます。 ですので、命の終わりに近づいている高齢世代には、腎の精をできるだけ保つのが元気のポイントになります。 老化に負けたくない!元気になりたい!という高齢世代の方に覚悟してもらいたいのは、「すぐに効果が出ません!」ということです。 若いときよりも自然治癒力は落ちているし、胃腸が弱って消化吸収も低下しています。何かしら不調もあって精の消耗が多くなりますので、それに抗って「精」を増やしていくのですから、長期戦での努力が必要です。 実際、若い世代なら数日~数週間、長くともせいぜい数ヶ月で元気になるようなことも、数年がかりになることは少なくありません。 ですが、1年、2年はあっという間です。もし3年前から努力していたら、今は全く違う元気さがあったとしたら、そんなに長くないような気がしませんか? 「腎虚」を改善させるには、「補気」や「補血」の治療薬では力不足です。もちろん補気・補血も重要ですが、同時に「補腎」という治療をしていきます。腎には、腎陽と腎陰があり、腎陽が不足すると冷えが生じ、腎陰が不足すると不快感を伴う熱症状が生じます。その体質を見極めながら、「補腎」の漢方薬を常用して、「腎精」を補充していきます。 また、腎を強くするには足腰を鍛える運動が必須です。漢方薬にも「強筋骨」という働きのある生薬は、補腎の治療に欠かせません。足の筋肉が衰えると、重力で下がった血液を上に押し戻すことが出来ずに停滞します。血流が悪くなることは腎の機能を低下させるからです。疲れるからと言って、安静にしてばかりいると、高齢世代は弱っていくのが早いです。多少無理をしてでも動かなくてはなりません。運動器に異常があって自己流の運動が心配な方は、専門家の指示の元、トレーニング方法をアドバイスしてもらってください。80代からスポーツジムに通って、90代で前よりも元気!という方もいらっしゃいますよ。 高齢世代の方の有利な点は、若い世代よりも食事に気をつけている方が多いことです。魚や野菜は若い世代よりも食べている方が多いですし、スナック菓子やケーキなど高カロリーなものは逆に食べなくなっていると思います。少食になってきているので、1品1品に良い食べ物を摂るように気をつける必要がありますが、その分悪いものを食べる機会も減っているかもしれません。 年だから・・・と諦めず、補腎と運動で元気な長生きを目指しましょう!

光線とミトコンドリア

火曜日, 1月 30th, 2024

細胞内に存在するミトコンドリアは、主要なエネルギーの生産工場としてよく知られている器官です。
どの細胞もミトコンドリアのエネルギーに依存していますので、赤血球球以外のほぼ全ての細胞に存在していますが、特にミトコンドリアが多く存在する細胞があります。

それは「褐色脂肪細胞」です。褐色脂肪細胞は、特に寒冷刺激でエネルギーを多く産生し、体温の維持を担っている細胞です。赤ちゃんの頃は多く存在しますが、成長と共に減少し、大人では鎖骨上部や肩甲骨、腎臓周囲、腋窩部、傍脊椎に分布しています。「風邪をひくと背中がゾクゾクする」という症状は、筋肉を震わせて褐色脂肪細胞を活性化させるため、と言われています。

東洋医学では、光が当たる背部は陽、影になる腹側は陰という考え方があります。背中側は太陽光線(可視光線)に当たるのが自然ということです。光線治療で肩甲骨中心部を当てると、「光線が体内に入るような感じ」で、特別な心地よさを感じる方が多くいらっしゃいます。実際、ミトコンドリアは可視光線によってエネルギー産生が増加します。植物の葉緑素に当たるのがミトコンドリアなのかもしれません。

光線によって活性化するミトコンドリアが、太陽光線に当たりやすい部位に多く分布しているのは、興味深いことです。光線治療をしていると、疲労感が取れたり、体力がついてくる方がいらっしゃいます。痛みが取れたり、冷え性がよくなるのは、光化学作用によって炎症物質が分解されたり、温熱効果で温まったりするので、効果として分かりやすいですが、体力がついてくるのは少し不思議に思いませんか?この効果はミトコンドリアが活性化して、エネルギー産生を増やした結果と考えられます。

ミトコンドリアが正常に働くためには、ビタミンやミネラル摂取の他、光線も一役買っているということです。健康を維持するために、もっと太陽光線(可視光線)に当たるようにしましょう!

 

 

慢性炎症と抗酸化物質

月曜日, 1月 29th, 2024

慢性炎症についての新しいメカニズムについて、講演会を聞いてきましたので、皆様にもわかりやすく説明したいと思います。

慢性炎症の原因のひとつに、ミトコンドリアの破壊が関係していることが分かってきました。

20億年ほど前、ミトコンドリアの祖先は、真核生物の祖先に寄生したと考えられていて、私たちの核内のDNAとは別のDNAを持っています。真核生物の核内のDNAは、直鎖状の二重らせん構造をしています。おそらく高校の生物学などで習っているでしょうか?

ミトコンドリアのDNAは、原核生物の細菌などと同じ環状DNAです。このDNAの形状の違いが、慢性炎症と関係があるそうなのです。

ミトコンドリアは、それそのものがエネルギー生産工場になっており、エネルギーの産生と共にたくさんの活性酸素も発生させてしまいます。この発生した活性酸素を速やかに除去できれば良いのですが、除去する能力が低い場合、自身が発生させた活性酸素でミトコンドリアが破壊されてしまいます。ミトコンドリアが破壊されると、環状DNAが放出され、その形状は細菌と同じなので、免疫細胞が細菌感染と勘違いしてしまうそうなのです。

細菌感染と勘違いしたマクロファージは、炎症性サイトカインを放出し、それはミトコンドリアの破壊が治まらなければ止まることがありません。炎症を起こすことで新たな活性酸素が発生し、堂々巡りになってしまいます。

そこで重要なのは、抗酸化酵素や抗酸化物質です。抗酸化酵素は、SOD(スーパーオキサイドジスムダーゼ)、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどで、それらは亜鉛・銅・セレンなどのミネラルを含みます。また、抗酸化酵素では除去できないヒドロキシラジカルは抗酸化物質によって除去されます。活性酸素を効率よく除去することで、ミトコンドリアの破壊が止まり、マクロファージによる炎症性サイトカインの放出も治まります。

主な抗酸化物質には、ビタミン類のほか、植物や動物に含まれるポリフェノール類などがあります。抗酸化物質には、水溶性・脂溶性・両親媒性のものがあり、例えばビタミンCは水溶性、ビタミンEは脂溶性です。

水溶性の抗酸化物質は、血液中や細胞内のゲル状の部分(水っぽい部分)の活性酸素を除去することは出来ますが、脂質で構成される細胞膜や神経細胞の一部などは脂溶性の抗酸化物質でないと除去することはできません。両親媒性の抗酸化物質は、水にも油にも溶けるので、どちらの活性酸素も除去できるメリットがあります。また、臓器によって取り込まれやすさが異なる抗酸化物質もあるので、どれか一つが役に立つわけではなく、様々な種類を摂取することによって、より高い効果を発揮すると考えられます。

慢性炎症を防ぐには、不足しやすい亜鉛などの抗酸化ミネラル、ビタミン、抗酸化物質をしっかり摂取して、ミトコンドリアを活性酸素から守ってあげることが必要なのです。

あなたの疲れはどんな疲れ?(現役世代編)

金曜日, 1月 26th, 2024

疲れたから栄養ドリンクを飲んで元気をつけよう!
疲れには元気が出るものを飲むというイメージは、多くの方がお持ちだと思います。

しかし、疲れにもいろいろな体質がありまして、ストレスや肩こり、運動不足などの場合、全く効かない、もしくは逆に悪化することもあるというのはご存じでしょうか?

元気にする代表的な生薬、人参などは、漢方では補気剤という役割になりますので、「気が足りなくて疲れている場合」に効果を発揮します。

気が足りないとはどういう症状かというと、手足が怠い、動きたくない、息切れする、口数が少ない、声が小さい、横になりたい、日中の眠気などです。(他、各臓腑特有の気不足の症状もありますが、長くなるので割愛します)

一番疲れを感じやすい現役世代では、長時間労働や睡眠不足による疲れ、仕事や人間関係の悩みなどのストレスの疲れ、同じ姿勢や運動不足による疲れに分けられると思います。

この中で補気剤が役立ちそうなのは、長時間労働や睡眠不足による疲れです。長時間労働は気血を消耗しますし、睡眠は気血を再生・充足する時間なので、このような状態が続くと身体は弱ってきます。そのような疲れに効果を発揮しますが、同時に休養を取ることも必要でしょう。お薬だけではどうにもならないこともあるからです。

ストレスや運動不足の疲れには、補気剤はほとんど役に立ちません。これは気が足りなくて疲れているのではなく、気血の巡りが悪くなって疲れを感じているからです。

気の巡りが悪くなった状態は、気滞と言いますが、目に見えないものなので理解されにくいです。
症状としては、緊張感、落ち着かない、イライラしやすい、ため息、胸や腹が張る、背中の張り、苦しい、排便がスッキリしないなどです。(こちらも各臓腑特有の症状があります)気滞になると、身体の機能が滞ってスムーズに循環しなくなるので、疲れを感じやすくなりますが、寝たり休んだりしただけでは、ほとんど解消されません。

また、血の流れが悪くなった状態は、瘀血(おけつ)と言い、肩こり、頭痛、生理痛など固定痛や筋肉や関節が固まったような感じがあります。気血は一緒に循環しているので、どちらが滞っても同時に症状が引っ張られるので、両方の循環を促すことが大切です。

この気血の流れが悪いことをセットにして、「気滞血瘀」と言います。気滞血瘀の疲れは、循環が悪くて疲れを感じるので、循環していない状態で補う治療をすると余計に滞って悪化することがあるのです。気滞血瘀の疲れには、気血の流れを良くする漢方薬を用いますが、添付文書の効能・効果には「疲れやすい」とは書かれていないので、漢方薬の原料である生薬の効能を理解していなければ選ぶことは困難です。また、気虚と気滞の体質を同時に持つ方もいらっしゃいますので、そのバランスによって、補気薬・理気薬(気を巡らせる薬)の使い方も変わります。

気滞血瘀の体質の方が自分でできる養生法としては、ジョギングや体操など身体を動かすこと、音楽に合わせて大きな声で歌うこと、森林浴をしながらのトレッキングなどがオススメです。身体を動かしてから休養を取ることがポイントです。他、香り(アロマセラピー)や音楽は心の気を流れやすくするのに有効です。

現役世代にとっては、疲れることは次から次へとやってくるので、疲れにくい身体作りも大事です。
忙しくて、簡単に食べられる一品食(パスタ・ラーメン・蕎麦・丼物など)になっていませんか?タンパク質・ビタミン・ミネラルが不足するとストレスに弱くなりますし、疲労物質を解消する機能も低下します。
炭水化物の割合が多いと、ビタミンB群が不足しますし、魚介類が少ないとミネラルが足りません。緑黄色野菜は抗酸化物質が豊富に含まれますので、ストレスによる活性酸素から守ってくれます。炭水化物は精白食品を避け、食事量全体の1/3以下になるように気をつけましょう。

こだま堂では、漢方薬だけでなく、生活習慣や体調から補充した方が良い栄養素のアドバイスも行っています。
現役世代の次はみんな老年世代へと進みます。この時期の体調管理が一生を作用すると言っても過言ではありません。
漢方の相談を通して、ご体調・生活習慣を見直してみませんか?

2月の臨時休業

木曜日, 1月 25th, 2024

2月の臨時休業

聖蹟桜ヶ丘店:25日(日)・26日(月)
 5日(月)は雪のため16:30で閉めさせていただきました。

 ※23日(金)は祝日ですが16:30まで開局します。

 

府中店:25日(日)・26日(月)・所用により営業時間変更:14日(水)15:30まで

 5日(月)は雪のため16:30で閉めさせていただきました。

 23日(金)は祝日ですが16:00まで開局します。

漢方薬局の選び方

金曜日, 1月 19th, 2024 漢方薬局も様々なスタイルがありますが、皆さん、自分に合った漢方薬局と出会いたいと望むでしょう。 実際、漢方薬局と言っても、様々な考え方の先生がいらっしゃいまして、古方と中医学では考え方が全く異なったり、得意分野、経験や取り扱い商品なども様々です。 こだま堂では、私たち夫婦二人、登録販売者のスタッフさん含め、中医学の考え方で体質分析を行い、一人一人に合った漢方薬・健康食品をご紹介し、養生法などをアドバイスしています。 中医学の弁証に従ってカウンセリングをしていくと、初回の相談は1時間以上かかることもありますし、何度もご体調の変化などを伺って、合う漢方薬にすりあわせていく必要がある方もいらっしゃいます。(そのために相談は予約制にしております) ですので、手短に相談して、手軽に飲める漢方薬がすぐ欲しいという方には、こだま堂はあまり合わないスタイルかもしれません。 しかし、漢方薬を選ぶ上で非常に難しいのは、添付文書に載っている効能・効果をそのまま鵜呑みにして服用すると、全く見当違いな治療をする羽目になることがあるのです。 例えば、元気になりたい方に使う漢方薬としてよく知られている「補中益気湯」と「十全大補湯」で比べてみましょう。 どちらも効能・効果は似たようなことが書かれています。(メーカーによっても多少記述が異なりますので、薬局製剤で比較しています) 補中益気湯の効能・効果・・・体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒 十全大補湯の効能・効果・・・体力虚弱なものの次の諸症:病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血 順番が違うだけで、内容はほとんど一緒に思えませんか? 生薬の配合から考えると、違いが見えてきます。 補中益気湯:人参4・白朮4・黄耆4・当帰3・陳皮2・大棗2・柴胡1・甘草1.5・生姜0.5・升麻0.5 十全大補湯:人参3・黄耆3・白朮3・茯苓3・当帰3・芍薬3・地黄3・川芎3・桂皮3・甘草1.5 共通している生薬は人参・白朮・黄耆・当帰・甘草ですので、半分は同じです。人参・黄耆は気を補い、白朮は脾を補います。当帰は補血薬で、甘草は補う働きと共に配合されている生薬を調和する役割があります。 補中益気湯の特徴は、脾胃を助ける大棗・陳皮と、気を持ち上げる組み合わせの柴胡・升麻です。気を持ち上げるとはどういうことかというと、気が不足していると内臓を正しい位置に保つことができず、下垂しやすくなり、食欲が低下します。脾は後天の本とも言われ、元気を作る源です。補中益気湯は、気血を補うと同時に、気を持ち上げて内臓を正しい位置に戻し、食欲を回復させて元気にする漢方薬ということになります。気を補うことを主体に置いているので、十全大補湯よりも補気薬(人参・白朮・黄耆)の量も多くしてあります。 十全大補湯の特徴は、当帰以外の芍薬・地黄・川芎といった血に関する生薬が配合されていることです。当帰も含めたこの4種類は四物湯という方剤で、これは血を増やし、血流を良くする組み合わせです。地黄は血を潤す働きがありますが、胃腸には若干重たい生薬です。ですので、胃腸の消化吸収機能はあまり衰えておらず、気血を増やすことで元気を取り戻させる、より血に比重を置いた方剤になります。 例に挙げた、この2種類に関しては、胃腸の具合と痰湿体質などに気をつけて使えば、どちらを使っても大きな間違いにはならないと思います。 しかし、細かい体質まで考えると、上記の生薬の違いから、合う合わないが生じる可能性はあります。 漢方薬局・薬店の中には、生薬の効能まではよく知らずに、添付文書の効能・効果だけで漢方薬を選んだり、「婦人科の症状なら当帰芍薬散」など、病名で一律に決まった漢方薬を処方する、利益の高い推売品ばかり紹介するようなところもあります。もちろん薬局・薬店も事業ですから、推売品があってそれを勧めたいのは分かりますが、あちこちの漢方薬局を巡ってこだま堂にいらした方の中には、全く合っていない漢方薬(効能・効果としては合っているかもしれませんが)を勧められて、かえって具合が悪くなっている方もいらっしゃるのは、少々憤りを感じます。 原料の生薬を扱っている漢方薬局であれば、ほぼ間違いなく各生薬の効能から判断して、漢方薬を選ぶことができるので、漢方薬局・薬店を選ぶ目安の一つになると思います。