漢方薬が効きやすい人とそうでない人がいるのは何故でしょうか?
漢方薬は決してプラセボのような気のせいで効いている薬ではありません。病気や体質に合うように調節ができる優れた薬です。
しかし、どうも漢方薬が効きにくい体質の方がいらっしゃるのです。
体質的な原因としては、大きく2つの要因があります。
一つ目は、「腸内環境」です。腸内環境によって、漢方薬の薬用成分が活性化されるかどうか個人差があります。漢方薬ではありませんが、良く知られたところでは、大豆イソフラボンから作られるエクオールという成分もその一つです。エクオールを産生できる菌を持っている人は、大豆製品を食べれば腸内細菌がエクオールを作ってくれますが、そうでない方は大豆製品を食べるだけでは足りないので、エクオールそのものを摂取する必要があります。
漢方薬も同じように、薬用成分を活性化してくれる腸内細菌が多いかどうか?は、効き目に影響するのです。
この漢方薬を活性化してくれる腸内細菌を増やす方法があります。それは、空腹時に服用することと、長期間服用することです。
動物実験では、そのように摂取させることで、漢方薬の成分を活用する腸内細菌が増えることが分かっています。
食後の服用では、食べ物の成分を優先的に分解してしまうため、増えにくいそうです。
もう一つの要因は、栄養不足です。
薬を飲む以前に、身体を機能させるための栄養が足りないと、自分で治すための物質を作ることができません。例えば、身体の化学反応を担う酵素はタンパク質でできていますが、タンパク質を作るための栄養素や、酵素が機能するためのビタミンやミネラルが無ければ化学反応が進みません。貧血を改善する漢方薬はありますが、同時に鉄分を摂取した方が早く良くなります。
アンケートを取ると、食事がおざなりになっている人ほど薬で治そうとする傾向があります。身体には自分で治す機能がもともと備わっています。病気を治すためには、はじめに食事などの養生を主体に、薬で治すのをサポートするというように心がけてくださいね。
卵子が成長する為には、血液から栄養を受け取る必要があります。
卵巣周りの血行を常に良くしておくことで、血液から栄養をしっかり受け取り、卵子が成長していきます。
血行をよくするためには、たっぷりの血液と血行を促進する力が必要です。
血が少ないと流れる量が少なく、血行も悪くなりがちです。
血が十分な場合でも、冷えや生理痛、運動不足などがある場合には、やはり血行は悪くなりがちです。
また、浮腫は循環が悪いために起こります。ストレスも血行を悪くする原因の一つです。
そして受精した卵子が着床するためには、子宮内の環境が整っている必要があります。
内膜が薄かったり、血行が悪かったり、子宮内の環境が悪いと着床にも影響が出る場合があります。
ふかふかなベッドでぬくぬく出来る環境が必要です。
病院で出来る事は、ホルモン剤や器具などを使って授精を手助けすることです。
血行を良くしたり、ストレスの軽減や、浮腫の改善、血液の質を良くするのには、漢方の力が手助けになります。
どちらか一方の選択肢ではなく、それぞれの得意とするところをうまく活用していきましょう。
眠れないわけではないから不眠症ではないけれど、朝スッキリ起きられない、怖い夢や仕事の夢などの夢見が悪いといった睡眠の質にお悩みの方も多いです。
そのような睡眠では、たとえ8時間寝たとしても寝足りないと感じるのではないでしょうか?
ぐっすり眠れた時は、夢も覚えていませんし、目覚ましが鳴ったらパチッと目覚める感じで、昼間も眠気は感じません。そのくらいよく眠れたら、1日もっと元気に過ごせそうですよね。
睡眠の質が悪くなる原因にはいくつかありますので、一部をご紹介します。
①胃腸の働きが良くないタイプ:例えば、夕食が遅いと「食積」が溜まり、睡眠の質が悪くなります。遅くとも8時以降には夕食を終わらせて、消化した状態で寝た方がよく眠れます。舌に苔が多くついている、日ごろから味が濃いものや脂っこいものが好き、胃もたれが気になるという方なども胃腸の働きを良くする漢方薬で睡眠の質が良くなる場合があります。また、反応性低血糖症を起こしやすい体質の方は、寝る前に糖質を摂ると寝ている間に低血糖を起こし、身体がこわばったり、食いしばりで睡眠の質が悪くなりやすいです。
②気滞(気の流れが悪い)タイプ:イライラしやすい、緊張しやすい、ため息が多いなど気の流れが悪いときに起こりやすい症状があり、仕事の夢や現実的な夢など寝てる間にもストレスになりそうな夢が多いです。気の流れを良くすると、睡眠の質が良くなります。例えば、生薬の「麝香」は香水のムスクの原料でもありますが、その香りは気の流れを整えて悪夢や呪いを退けると薬物書に記載があります。昔の人は、麝香を使うことで悪夢を見なくなるのを祟りや呪いを退けたと考えていたのかもしれません。実際にイライラや緊張など気滞の症状にもよく使われている生薬です。気滞の体質が長引くと熱の体質が出てくることがありますが、その場合は清熱作用の漢方薬を使うとよく眠れます。
③心血不足:不安症、心配性で、髪が細い・抜けやすい、皮膚が乾燥する、貧血、動悸など心血不足による体質で睡眠の質が悪いタイプです。頭を使いすぎて脳疲労ぎみなタイプも当てはまるかもしれません。血を増やす漢方薬や栄養を補充することで眠りの質が改善されます。また、身体に必要な抗酸化物質は様々な種類がありますが、脳の活性酸素を除去できるものが睡眠を深くすることが分かってきています。
睡眠の質にお悩みの方は、是非一度ご相談ください。
2025年10月の臨時休業
聖蹟桜ヶ丘店:12日(日)、26日(日)、27日(月)です。また3日(金)は12:00からの営業となります。
府中店:12日(日)、19日(日)、26日(日)、27日(月)です。また、18日(土)は13:30までとなりますので、ご注意ください。
スケジュールはInstagram(kodamado_tama)にも載せていますので、そちらもご参照ください。
動悸が続くと「心臓の異常かな?」と不安になりますよね。
それで病院で詳しく調べてもらっても、特に病的な異常が無いということでお悩みの方がよく相談にいらっしゃいます。
病院の診断で多いのは「自律神経失調症」や「ストレス」です。規則正しい生活やストレスを減らすように言われても、それだけで良くなる方は少ないですし、治療も無く症状が続くのは辛いことです。
東洋医学的には「動悸」の原因になる体質には大きく分けて7種類あります。
①心血不足:過労・病気、胃腸虚弱や出血などが原因で、心血が不足して起こる動悸。不安症や不眠などの症状を伴うことも多いです。
②心気不足:心の気が不足して血液の運行が低下することによる動悸。疲労感が強く、また肺の慢性疾患を伴うこともあります。
③肝腎陰虚:肝の血や腎陰が不足し、その結果心血が不足したり、虚熱が心の機能を乱すことで起こる動悸。更年期の自律神経失調症などに多いです。
④心腎陽虚:心気不足が悪化し、心腎の陽虚による動悸。水液が滞り浮腫が現われた場合、心不全や腎不全など重病の場合があります。
⑤痰濁内阻:寒痰では冷えて心の働きを抑制し、熱痰では痰の粘りで心の働きを乱すことで起こる動悸。うつ症状や神経不安、胃腸症状などを伴うことがあります。
⑥血脈瘀阻:瘀血による動悸。瘀血の原因には、ストレスや冷え、食生活の不摂生など様々あります。
⑦肝鬱気滞:気の流れが悪くなることで起こる動悸。精神的な変動で悪化する傾向があります。
これらの体質はどれか一つに限定されるわけでは無く、いくつかの体質が絡み合って起こっている事が殆どです。体質を分析するには、時間をかけた問診が不可欠です。
漢方薬は動悸を止めるのでは無く、身体のバランスを整えて正常に戻していくお薬です。
ぜひ一度ご相談ください。
「腸活セミナー:忘れられた腸内細菌」
腸を良くするには、ヨーグルトを食べたり、乳酸菌・ビフィズス菌のサプリや薬を飲むのが良いと思っている方が多いと思います。
でも実は、忘れられた腸内細菌の存在があったのです!
正しい腸内細菌の整え方について、学んでみませんか?
微生物試験室 株式会社AHCから、専門家を招いた講座になります。
是非この機会に腸内細菌について楽しく学んで見てください。(商品の購入などはありませんので、ご安心ください)
お土産:腸活サプリなど(2000円相当)
日時:2025年10月10日(金)14:00~15:00
場所:こだま堂漢方薬局 聖蹟桜ヶ丘店
講師:武内 大
参加費:先払い500円 当日払い1000円
定員:4人
ご興味ある方はお問い合わせください。
●セミナー参加の注意事項
お部屋の中では、マスクの着用をお願いいたします。また、発熱など、体調がすぐれない場合は参加をご遠慮ください。
セミナーのご予約は、先払いの方が優先となります。
※当日払いの場合、参加人数によってはセミナーを受けられない場合がありますので、ご了承下さい。定員になり次第、HP(このページ)にてお知らせします。
【キャンセルについて】
開催日の2日前、前日、当日のキャンセルについては、返金不可となります。100%代金をいただきますのでご注意ください。
【キャンセル時のご返金について】
返金が発生した場合、参加費から手数料300円を引いた残額をご指定の銀行口座へ振り込みます。(または次回のセミナーへの繰り越しもできます)天災・こちらの都合による中止は全額返金いたします。
【キャンセルされる場合の連絡方法】
キャンセルされる場合、必ずメール・ライン(@462vfylj)・電話等で薬局までご連絡ください。他、何かわからないことがありましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
2025年9月の臨時休業
聖蹟桜ヶ丘店:14日(日)、29日(月)
府中店:14日(日)、21日(日)、29日(月)
ご迷惑おかけしますが、よろしくお願い致します。
スケジュールはInstagram(kodamado_tama)にも載せていますので、そちらもご参照ください。
今年の夏は一段と暑い日が続いていますね。
お盆を過ぎてからは少し暑さも和らいできますが、今年の多摩地区は、最高気温33℃~36℃とまだまだ暑い日が続きそうです。
この暑さによる不調は、中医学では暑邪(しょじゃ)の影響を受けていると考えます。
夏の暑さによって過剰に汗をかくと、汗と共に塩分や鉄分などのミネラルが消耗してしまい、疲労倦怠感が出やすくなったり、熱が身体の中に籠もってしまうと、のぼせやめまい、ふらつき、食欲不振、動悸、その他熱中症の症状などを引き起こしやすくなります。
暑邪に対しては、からだに籠もった熱を摂るため、スイカズラの花や、蓮の葉のお茶を飲んだり、夏のスイーツと言えば、なんと言ってもスイカを食べるのがオススメです。アイスの食べ過ぎは、糖質の取り過ぎや胃腸が過度に冷えてしまい、身体の不調が出やすくなるので気をつけましょう。
過剰に汗をかいてしまうと、身体の中の水分(津液)が不足しがちになります。
そのため漢方では、潤いを取り戻す麦門冬(ばくもんどう)や地黄(じおう)を使用したり、汗と共に元気の気を消耗してしまうと考えますので、それらを補う人参、特に西洋人参を使用します。
漢方で人参と言えば高麗人参(朝鮮人参)が有名ですが、西洋人参は熱を冷ましながら潤いと気を補う力があると言われています。
有名な漢方薬には、麦味参(ばくみさん)、生脈散(しょうみゃくさん)があります。
その他、ミネラルなども補給していくことで、暑さに負けないからだ作りをして、今年の酷暑を乗り切っていきましょう。
ガン治療の一つに抗ガン剤を使った治療がありますが、ガンを攻撃するだけではなく、自分の正常な細胞にも影響が出てきてしまうことがあり、最後まで続けるのに体力が続かなくなってしまう方もいらっしゃいます。
例えば、抗がん剤後の胃腸の不調や、倦怠感で辛いといったお声がありますが、病院では吐き気止めや下痢止め、漢方薬なども処方されているけれど、体調がすぐれない。
もう少し体調が良くなって楽になりたい、次回の治療までに少しでも体力を回復させたい、といったご相談も多くあります。
病院のお薬を服用中の方でも、すでに漢方薬を服用中の方でも、うまく組み合わせることによって、少しでも楽に生活ができるように、治療に負けない身体づくりをしていきましょう。
いじめにあったわけでも無く、学校に行くのは楽しいけれど、徐々に朝が起きられなくなり行けなくなった。
午前中、頭痛、めまい、立ちくらみ、吐き気、ものすごい倦怠感で動けない、その様なお子様のご相談がございます。
思春期のお子様は、身長が伸びたり、生理が来たり、成長期のため、ホルモンのバランスが不安定になり、
ホルモンのバランスと密接に関係する自律神経のバランスを崩してしまうため、朝に体調を崩してしまうことがあります。
朝の自律神経の変動に、カラダがまだ未熟なためついて行けなくなってしまい、動けなくなってしまう。
特に生理のあるお子様は、血虚(血不足)も関係して来る場合がありますので、整えて行くのにはある程度の時間が必要です。
身体の土台がしっかりしてくると、ホルモンバランスや自律神経のバランスも、ある程度整いやすくなってきます。
二学期から元気に学校に行けるよう、この夏休みの間にしっかりと身体を立て直してみてはいかがでしょうか。