
様々な栄養素の中で、ビタミンCは最も良く耳にする栄養素のひとつです。
ですが、肌に良い、抗酸化作用がある、不足すると出血しやすくなる・・・というくらいの役割でしか知られていないのではないでしょうか?
ほとんどの動物は、肝臓でグルコースからビタミンCを生合成することができますが、人間、サル、モルモットなど一部の動物は進化の過程でビタミンCを作る酵素「グロノラクトンオキシダーゼ」を失ってしまい、作ることができなくなってしまいました。
自分で作れなくなってしまった人間は、食物から摂取するしかありませんが、ビタミンCは加工する過程で失われやすく、また鮮度が落ちた野菜や果物では含有量が少なくなってしまいます。
自然の中で生きていたときは、食べ物を見つけたらその場で食べますから新鮮ですが、現代は冷蔵庫の中で何日も保存できるので、その分失われる栄養素は多くなります。
ビタミンCは、コラーゲンを生成する酵素の補酵素として働きますが、コラーゲンは美肌の為だけではなく、血管や骨、軟骨組織などを支えるタンパク質です。
なんとなく飲んでいるだけではビタミンCの良さはあまり分かりませんが、栄養療法で推奨される多めの量を続けると数週間程度でも良い変化を感じられる場合があります。
特に上記のコラーゲンが多い組織の老化や異常を感じる方は、良い変化を感じやすいようです。
しかし、体内では様々な栄養素が必要とされていますので、生活習慣を見直して足りなさそうな栄養素は組み合わせて補充してください。
骨を丈夫にするために、カルシウム配合のサプリメントを飲んでいる方は多いと思いますが、思ったほど増えないとガッカリすることはありませんか?
骨を丈夫にするには、カルシウムを補充するだけでは不十分で、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウム、ビタミンCなど様々な栄養素が必要です。それはカルシウムが自然に骨に吸着されるわけではなく、骨を生成する細胞「骨芽細胞」と骨を壊す細胞「破骨細胞」がバランス良く働き、弾力性がある骨を形成しているからです。
当薬局では「骨密度がなかなか上がらなくて・・・」という方には、複合的な栄養素の補給と一緒に、補腎の働きがある漢方薬を一緒に飲んでもらうことが多いです。東洋医学では、骨は腎に属し、補腎をすることで骨の形成を促すと考えられているからです。
また、生命活動は極力節約しながら働いています。身体を使わないことは骨を使わないことになりますので、使わない機能に対しては節約するように新陳代謝は変化します。いくら栄養を摂っても、漢方を飲んでも、身体を使わなければ骨に使われる予定の栄養素は別の必要な機能へ回されます。
激しい運動をする必要はないので、適度に身体を動かしながら栄養や漢方で体質改善をすることで骨は丈夫になっていきます。
まずは半年間、頑張ってくださいね!
漢方薬局なので、もちろん漢方薬がオススメではあるのですが、長年やっていると漢方薬よりも光線治療の方が早く良くなる症状が分かってきました。
まず漢方薬よりも光線治療をオススメしたい症状1位は「蕁麻疹」です。
蕁麻疹は出たり引っ込んだりして、皮膚科で薬を飲んでいても止めるとまた出てきたり、長期間お悩みの方が少なくありません。
しかも、だんだん薬で抑えられなくなってきます。
漢方薬も早ければ1ヶ月くらいで効いて喜ばれることもありますが、完治するまでに多くは半年~数年の治療が必要になります。
しかし光線治療では多くの方が数回の治療で効果を感じ、週に1~2回施術をすれば1ヶ月以内にかなり良くなります。
完治するにはもう少し時間がかかる場合もありますが、ほとんどの方が3ヶ月~半年くらいで良くなっています。
漢方と両方行えばより早く良くなると思いますが、予算的にお悩みの方には光線治療をオススメします。
可視総合光線療法の効能効果には「蕁麻疹」の記載はありませんが、光線には様々な健康効果があり、皮膚に直接光線を当てることで治癒力が促進されると考えられます。
難点は通わないとならないことですが、当薬局ではレンタルもしていますので、頻繁に通えない方はご自宅での治療も検討されてみても良いと思います。
2025年11月の臨時休業です。
聖蹟桜ヶ丘店:2日(日)
府中店:2日(日)、16日(日)
12日は聖蹟桜ヶ丘店・府中店共に14:00からの営業となりますので、ご注意ください。
スケジュールはInstagram(kodamado_tama)にも載せていますので、そちらもご参照ください。
夜にトイレに行きたくなって、ぐっすり眠れないというお悩みはとても多いです。
本来、寝ているときには「抗利尿ホルモン(バソプレシン)」が分泌されるので、8時間と長時間でもトイレにおきないような身体のしくみがあります。
それが年齢と共にホルモンを作る機能が弱くなってきたり、筋力の低下で膀胱に尿が残りやすくなったり、様々な老化現象で夜間頻尿になりやすくなります。ひどくお悩みの方は、一晩に5~6回も起きて、まともに眠れない場合もあります。
高齢者の夜間尿の場合、漢方薬を服用してもすぐに良くなるわけではないので、半年くらいかけて気長に飲んでいただきたいです。
また、浮腫があると、寝ている間に水分が回って、膀胱に尿が溜まり、夜間尿になることがあります。むくみやすい体質の方は、まずはそれを改善することも重要です。
老化の症状は、漢方の補腎薬といわれるものを使っていきます。補腎薬は老化防止のための漢方薬なので、毎日続けることで効果を発揮します。老化というと70代以上の方を想像しがちですが、東洋医学では40代からすでに老化が始まっていると考えます。
早めに補腎をすることは、将来の老化に伴う諸症状を予防することに繋がります。
漢方薬が効きやすい人とそうでない人がいるのは何故でしょうか?
漢方薬は決してプラセボのような気のせいで効いている薬ではありません。病気や体質に合うように調節ができる優れた薬です。
しかし、どうも漢方薬が効きにくい体質の方がいらっしゃるのです。
体質的な原因としては、大きく2つの要因があります。
一つ目は、「腸内環境」です。腸内環境によって、漢方薬の薬用成分が活性化されるかどうか個人差があります。漢方薬ではありませんが、良く知られたところでは、大豆イソフラボンから作られるエクオールという成分もその一つです。エクオールを産生できる菌を持っている人は、大豆製品を食べれば腸内細菌がエクオールを作ってくれますが、そうでない方は大豆製品を食べるだけでは足りないので、エクオールそのものを摂取する必要があります。
漢方薬も同じように、薬用成分を活性化してくれる腸内細菌が多いかどうか?は、効き目に影響するのです。
この漢方薬を活性化してくれる腸内細菌を増やす方法があります。それは、空腹時に服用することと、長期間服用することです。
動物実験では、そのように摂取させることで、漢方薬の成分を活用する腸内細菌が増えることが分かっています。
食後の服用では、食べ物の成分を優先的に分解してしまうため、増えにくいそうです。
もう一つの要因は、栄養不足です。
薬を飲む以前に、身体を機能させるための栄養が足りないと、自分で治すための物質を作ることができません。例えば、身体の化学反応を担う酵素はタンパク質でできていますが、タンパク質を作るための栄養素や、酵素が機能するためのビタミンやミネラルが無ければ化学反応が進みません。貧血を改善する漢方薬はありますが、同時に鉄分を摂取した方が早く良くなります。
アンケートを取ると、食事がおざなりになっている人ほど薬で治そうとする傾向があります。身体には自分で治す機能がもともと備わっています。病気を治すためには、はじめに食事などの養生を主体に、薬で治すのをサポートするというように心がけてくださいね。
卵子が成長する為には、血液から栄養を受け取る必要があります。
卵巣周りの血行を常に良くしておくことで、血液から栄養をしっかり受け取り、卵子が成長していきます。
血行をよくするためには、たっぷりの血液と血行を促進する力が必要です。
血が少ないと流れる量が少なく、血行も悪くなりがちです。
血が十分な場合でも、冷えや生理痛、運動不足などがある場合には、やはり血行は悪くなりがちです。
また、浮腫は循環が悪いために起こります。ストレスも血行を悪くする原因の一つです。
そして受精した卵子が着床するためには、子宮内の環境が整っている必要があります。
内膜が薄かったり、血行が悪かったり、子宮内の環境が悪いと着床にも影響が出る場合があります。
ふかふかなベッドでぬくぬく出来る環境が必要です。
病院で出来る事は、ホルモン剤や器具などを使って授精を手助けすることです。
血行を良くしたり、ストレスの軽減や、浮腫の改善、血液の質を良くするのには、漢方の力が手助けになります。
どちらか一方の選択肢ではなく、それぞれの得意とするところをうまく活用していきましょう。
眠れないわけではないから不眠症ではないけれど、朝スッキリ起きられない、怖い夢や仕事の夢などの夢見が悪いといった睡眠の質にお悩みの方も多いです。
そのような睡眠では、たとえ8時間寝たとしても寝足りないと感じるのではないでしょうか?
ぐっすり眠れた時は、夢も覚えていませんし、目覚ましが鳴ったらパチッと目覚める感じで、昼間も眠気は感じません。そのくらいよく眠れたら、1日もっと元気に過ごせそうですよね。
睡眠の質が悪くなる原因にはいくつかありますので、一部をご紹介します。
①胃腸の働きが良くないタイプ:例えば、夕食が遅いと「食積」が溜まり、睡眠の質が悪くなります。遅くとも8時以降には夕食を終わらせて、消化した状態で寝た方がよく眠れます。舌に苔が多くついている、日ごろから味が濃いものや脂っこいものが好き、胃もたれが気になるという方なども胃腸の働きを良くする漢方薬で睡眠の質が良くなる場合があります。また、反応性低血糖症を起こしやすい体質の方は、寝る前に糖質を摂ると寝ている間に低血糖を起こし、身体がこわばったり、食いしばりで睡眠の質が悪くなりやすいです。
②気滞(気の流れが悪い)タイプ:イライラしやすい、緊張しやすい、ため息が多いなど気の流れが悪いときに起こりやすい症状があり、仕事の夢や現実的な夢など寝てる間にもストレスになりそうな夢が多いです。気の流れを良くすると、睡眠の質が良くなります。例えば、生薬の「麝香」は香水のムスクの原料でもありますが、その香りは気の流れを整えて悪夢や呪いを退けると薬物書に記載があります。昔の人は、麝香を使うことで悪夢を見なくなるのを祟りや呪いを退けたと考えていたのかもしれません。実際にイライラや緊張など気滞の症状にもよく使われている生薬です。気滞の体質が長引くと熱の体質が出てくることがありますが、その場合は清熱作用の漢方薬を使うとよく眠れます。
③心血不足:不安症、心配性で、髪が細い・抜けやすい、皮膚が乾燥する、貧血、動悸など心血不足による体質で睡眠の質が悪いタイプです。頭を使いすぎて脳疲労ぎみなタイプも当てはまるかもしれません。血を増やす漢方薬や栄養を補充することで眠りの質が改善されます。また、身体に必要な抗酸化物質は様々な種類がありますが、脳の活性酸素を除去できるものが睡眠を深くすることが分かってきています。
睡眠の質にお悩みの方は、是非一度ご相談ください。
2025年10月の臨時休業
聖蹟桜ヶ丘店:12日(日)、26日(日)、27日(月)です。また3日(金)は12:00からの営業となります。
府中店:12日(日)、19日(日)、26日(日)、27日(月)です。また、18日(土)は13:30までとなりますので、ご注意ください。
スケジュールはInstagram(kodamado_tama)にも載せていますので、そちらもご参照ください。