こだま堂漢方薬局

「多摩市の漢方薬局」「府中市の漢方薬局」漢方専門薬剤師が一人一人の体調・体質に合わせて漢方薬の調合をおこなっております。薬だけに頼らず、可視総合光線療法を取り入れ自己治癒力を高めることをモットーにしています。健康相談や健康食品・ハーブのお取り寄せもおこなっておりますのでお気軽にお立ち寄り下さい。

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光線とミトコンドリア

火曜日, 1月 30th, 2024

細胞内に存在するミトコンドリアは、主要なエネルギーの生産工場としてよく知られている器官です。
どの細胞もミトコンドリアのエネルギーに依存していますので、赤血球球以外のほぼ全ての細胞に存在していますが、特にミトコンドリアが多く存在する細胞があります。

それは「褐色脂肪細胞」です。褐色脂肪細胞は、特に寒冷刺激でエネルギーを多く産生し、体温の維持を担っている細胞です。赤ちゃんの頃は多く存在しますが、成長と共に減少し、大人では鎖骨上部や肩甲骨、腎臓周囲、腋窩部、傍脊椎に分布しています。「風邪をひくと背中がゾクゾクする」という症状は、筋肉を震わせて褐色脂肪細胞を活性化させるため、と言われています。

東洋医学では、光が当たる背部は陽、影になる腹側は陰という考え方があります。背中側は太陽光線(可視光線)に当たるのが自然ということです。光線治療で肩甲骨中心部を当てると、「光線が体内に入るような感じ」で、特別な心地よさを感じる方が多くいらっしゃいます。実際、ミトコンドリアは可視光線によってエネルギー産生が増加します。植物の葉緑素に当たるのがミトコンドリアなのかもしれません。

光線によって活性化するミトコンドリアが、太陽光線に当たりやすい部位に多く分布しているのは、興味深いことです。光線治療をしていると、疲労感が取れたり、体力がついてくる方がいらっしゃいます。痛みが取れたり、冷え性がよくなるのは、光化学作用によって炎症物質が分解されたり、温熱効果で温まったりするので、効果として分かりやすいですが、体力がついてくるのは少し不思議に思いませんか?この効果はミトコンドリアが活性化して、エネルギー産生を増やした結果と考えられます。

ミトコンドリアが正常に働くためには、ビタミンやミネラル摂取の他、光線も一役買っているということです。健康を維持するために、もっと太陽光線(可視光線)に当たるようにしましょう!

 

 

慢性炎症と抗酸化物質

月曜日, 1月 29th, 2024

慢性炎症についての新しいメカニズムについて、講演会を聞いてきましたので、皆様にもわかりやすく説明したいと思います。

慢性炎症の原因のひとつに、ミトコンドリアの破壊が関係していることが分かってきました。

20億年ほど前、ミトコンドリアの祖先は、真核生物の祖先に寄生したと考えられていて、私たちの核内のDNAとは別のDNAを持っています。真核生物の核内のDNAは、直鎖状の二重らせん構造をしています。おそらく高校の生物学などで習っているでしょうか?

ミトコンドリアのDNAは、原核生物の細菌などと同じ環状DNAです。このDNAの形状の違いが、慢性炎症と関係があるそうなのです。

ミトコンドリアは、それそのものがエネルギー生産工場になっており、エネルギーの産生と共にたくさんの活性酸素も発生させてしまいます。この発生した活性酸素を速やかに除去できれば良いのですが、除去する能力が低い場合、自身が発生させた活性酸素でミトコンドリアが破壊されてしまいます。ミトコンドリアが破壊されると、環状DNAが放出され、その形状は細菌と同じなので、免疫細胞が細菌感染と勘違いしてしまうそうなのです。

細菌感染と勘違いしたマクロファージは、炎症性サイトカインを放出し、それはミトコンドリアの破壊が治まらなければ止まることがありません。炎症を起こすことで新たな活性酸素が発生し、堂々巡りになってしまいます。

そこで重要なのは、抗酸化酵素や抗酸化物質です。抗酸化酵素は、SOD(スーパーオキサイドジスムダーゼ)、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどで、それらは亜鉛・銅・セレンなどのミネラルを含みます。また、抗酸化酵素では除去できないヒドロキシラジカルは抗酸化物質によって除去されます。活性酸素を効率よく除去することで、ミトコンドリアの破壊が止まり、マクロファージによる炎症性サイトカインの放出も治まります。

主な抗酸化物質には、ビタミン類のほか、植物や動物に含まれるポリフェノール類などがあります。抗酸化物質には、水溶性・脂溶性・両親媒性のものがあり、例えばビタミンCは水溶性、ビタミンEは脂溶性です。

水溶性の抗酸化物質は、血液中や細胞内のゲル状の部分(水っぽい部分)の活性酸素を除去することは出来ますが、脂質で構成される細胞膜や神経細胞の一部などは脂溶性の抗酸化物質でないと除去することはできません。両親媒性の抗酸化物質は、水にも油にも溶けるので、どちらの活性酸素も除去できるメリットがあります。また、臓器によって取り込まれやすさが異なる抗酸化物質もあるので、どれか一つが役に立つわけではなく、様々な種類を摂取することによって、より高い効果を発揮すると考えられます。

慢性炎症を防ぐには、不足しやすい亜鉛などの抗酸化ミネラル、ビタミン、抗酸化物質をしっかり摂取して、ミトコンドリアを活性酸素から守ってあげることが必要なのです。

あなたの疲れはどんな疲れ?(現役世代編)

金曜日, 1月 26th, 2024

疲れたから栄養ドリンクを飲んで元気をつけよう!
疲れには元気が出るものを飲むというイメージは、多くの方がお持ちだと思います。

しかし、疲れにもいろいろな体質がありまして、ストレスや肩こり、運動不足などの場合、全く効かない、もしくは逆に悪化することもあるというのはご存じでしょうか?

元気にする代表的な生薬、人参などは、漢方では補気剤という役割になりますので、「気が足りなくて疲れている場合」に効果を発揮します。

気が足りないとはどういう症状かというと、手足が怠い、動きたくない、息切れする、口数が少ない、声が小さい、横になりたい、日中の眠気などです。(他、各臓腑特有の気不足の症状もありますが、長くなるので割愛します)

一番疲れを感じやすい現役世代では、長時間労働や睡眠不足による疲れ、仕事や人間関係の悩みなどのストレスの疲れ、同じ姿勢や運動不足による疲れに分けられると思います。

この中で補気剤が役立ちそうなのは、長時間労働や睡眠不足による疲れです。長時間労働は気血を消耗しますし、睡眠は気血を再生・充足する時間なので、このような状態が続くと身体は弱ってきます。そのような疲れに効果を発揮しますが、同時に休養を取ることも必要でしょう。お薬だけではどうにもならないこともあるからです。

ストレスや運動不足の疲れには、補気剤はほとんど役に立ちません。これは気が足りなくて疲れているのではなく、気血の巡りが悪くなって疲れを感じているからです。

気の巡りが悪くなった状態は、気滞と言いますが、目に見えないものなので理解されにくいです。
症状としては、緊張感、落ち着かない、イライラしやすい、ため息、胸や腹が張る、背中の張り、苦しい、排便がスッキリしないなどです。(こちらも各臓腑特有の症状があります)気滞になると、身体の機能が滞ってスムーズに循環しなくなるので、疲れを感じやすくなりますが、寝たり休んだりしただけでは、ほとんど解消されません。

また、血の流れが悪くなった状態は、瘀血(おけつ)と言い、肩こり、頭痛、生理痛など固定痛や筋肉や関節が固まったような感じがあります。気血は一緒に循環しているので、どちらが滞っても同時に症状が引っ張られるので、両方の循環を促すことが大切です。

この気血の流れが悪いことをセットにして、「気滞血瘀」と言います。気滞血瘀の疲れは、循環が悪くて疲れを感じるので、循環していない状態で補う治療をすると余計に滞って悪化することがあるのです。気滞血瘀の疲れには、気血の流れを良くする漢方薬を用いますが、添付文書の効能・効果には「疲れやすい」とは書かれていないので、漢方薬の原料である生薬の効能を理解していなければ選ぶことは困難です。また、気虚と気滞の体質を同時に持つ方もいらっしゃいますので、そのバランスによって、補気薬・理気薬(気を巡らせる薬)の使い方も変わります。

気滞血瘀の体質の方が自分でできる養生法としては、ジョギングや体操など身体を動かすこと、音楽に合わせて大きな声で歌うこと、森林浴をしながらのトレッキングなどがオススメです。身体を動かしてから休養を取ることがポイントです。他、香り(アロマセラピー)や音楽は心の気を流れやすくするのに有効です。

現役世代にとっては、疲れることは次から次へとやってくるので、疲れにくい身体作りも大事です。
忙しくて、簡単に食べられる一品食(パスタ・ラーメン・蕎麦・丼物など)になっていませんか?タンパク質・ビタミン・ミネラルが不足するとストレスに弱くなりますし、疲労物質を解消する機能も低下します。
炭水化物の割合が多いと、ビタミンB群が不足しますし、魚介類が少ないとミネラルが足りません。緑黄色野菜は抗酸化物質が豊富に含まれますので、ストレスによる活性酸素から守ってくれます。炭水化物は精白食品を避け、食事量全体の1/3以下になるように気をつけましょう。

こだま堂では、漢方薬だけでなく、生活習慣や体調から補充した方が良い栄養素のアドバイスも行っています。
現役世代の次はみんな老年世代へと進みます。この時期の体調管理が一生を作用すると言っても過言ではありません。
漢方の相談を通して、ご体調・生活習慣を見直してみませんか?

漢方薬局の選び方

金曜日, 1月 19th, 2024 漢方薬局も様々なスタイルがありますが、皆さん、自分に合った漢方薬局と出会いたいと望むでしょう。 実際、漢方薬局と言っても、様々な考え方の先生がいらっしゃいまして、古方と中医学では考え方が全く異なったり、得意分野、経験や取り扱い商品なども様々です。 こだま堂では、私たち夫婦二人、登録販売者のスタッフさん含め、中医学の考え方で体質分析を行い、一人一人に合った漢方薬・健康食品をご紹介し、養生法などをアドバイスしています。 中医学の弁証に従ってカウンセリングをしていくと、初回の相談は1時間以上かかることもありますし、何度もご体調の変化などを伺って、合う漢方薬にすりあわせていく必要がある方もいらっしゃいます。(そのために相談は予約制にしております) ですので、手短に相談して、手軽に飲める漢方薬がすぐ欲しいという方には、こだま堂はあまり合わないスタイルかもしれません。 しかし、漢方薬を選ぶ上で非常に難しいのは、添付文書に載っている効能・効果をそのまま鵜呑みにして服用すると、全く見当違いな治療をする羽目になることがあるのです。 例えば、元気になりたい方に使う漢方薬としてよく知られている「補中益気湯」と「十全大補湯」で比べてみましょう。 どちらも効能・効果は似たようなことが書かれています。(メーカーによっても多少記述が異なりますので、薬局製剤で比較しています) 補中益気湯の効能・効果・・・体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒 十全大補湯の効能・効果・・・体力虚弱なものの次の諸症:病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血 順番が違うだけで、内容はほとんど一緒に思えませんか? 生薬の配合から考えると、違いが見えてきます。 補中益気湯:人参4・白朮4・黄耆4・当帰3・陳皮2・大棗2・柴胡1・甘草1.5・生姜0.5・升麻0.5 十全大補湯:人参3・黄耆3・白朮3・茯苓3・当帰3・芍薬3・地黄3・川芎3・桂皮3・甘草1.5 共通している生薬は人参・白朮・黄耆・当帰・甘草ですので、半分は同じです。人参・黄耆は気を補い、白朮は脾を補います。当帰は補血薬で、甘草は補う働きと共に配合されている生薬を調和する役割があります。 補中益気湯の特徴は、脾胃を助ける大棗・陳皮と、気を持ち上げる組み合わせの柴胡・升麻です。気を持ち上げるとはどういうことかというと、気が不足していると内臓を正しい位置に保つことができず、下垂しやすくなり、食欲が低下します。脾は後天の本とも言われ、元気を作る源です。補中益気湯は、気血を補うと同時に、気を持ち上げて内臓を正しい位置に戻し、食欲を回復させて元気にする漢方薬ということになります。気を補うことを主体に置いているので、十全大補湯よりも補気薬(人参・白朮・黄耆)の量も多くしてあります。 十全大補湯の特徴は、当帰以外の芍薬・地黄・川芎といった血に関する生薬が配合されていることです。当帰も含めたこの4種類は四物湯という方剤で、これは血を増やし、血流を良くする組み合わせです。地黄は血を潤す働きがありますが、胃腸には若干重たい生薬です。ですので、胃腸の消化吸収機能はあまり衰えておらず、気血を増やすことで元気を取り戻させる、より血に比重を置いた方剤になります。 例に挙げた、この2種類に関しては、胃腸の具合と痰湿体質などに気をつけて使えば、どちらを使っても大きな間違いにはならないと思います。 しかし、細かい体質まで考えると、上記の生薬の違いから、合う合わないが生じる可能性はあります。 漢方薬局・薬店の中には、生薬の効能まではよく知らずに、添付文書の効能・効果だけで漢方薬を選んだり、「婦人科の症状なら当帰芍薬散」など、病名で一律に決まった漢方薬を処方する、利益の高い推売品ばかり紹介するようなところもあります。もちろん薬局・薬店も事業ですから、推売品があってそれを勧めたいのは分かりますが、あちこちの漢方薬局を巡ってこだま堂にいらした方の中には、全く合っていない漢方薬(効能・効果としては合っているかもしれませんが)を勧められて、かえって具合が悪くなっている方もいらっしゃるのは、少々憤りを感じます。 原料の生薬を扱っている漢方薬局であれば、ほぼ間違いなく各生薬の効能から判断して、漢方薬を選ぶことができるので、漢方薬局・薬店を選ぶ目安の一つになると思います。

咳の症状に使う漢方薬

土曜日, 1月 13th, 2024 風邪のあと、咳だけが続いて辛い・・・というお悩みは、皆さんご経験あると思います。 2ヶ月以上、咳が続く場合、「咳喘息」と診断され、ステロイドの吸入薬や気管支拡張剤などを使って治療することもあります。 咳が出る風邪は、長引くことが多いので、早めに対処しておくことが大切です。 また、風邪に限らず、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や、喘息など、様々な原因による咳にも、漢方薬がよく効くことがあります。 咳に使う漢方薬も、体質や咳の性質による使い分けが大切ですので、いくつかご紹介したいと思います。 咳をしたときに、痰が絡むような咳なのか、乾いた咳なのか?は、漢方薬を決める判別の一番のポイントになります。例えば、痰が多い咳にノドを潤す作用の生薬を使うと痰が増えて苦しくなってしまいますし、逆に乾いた咳に痰を減らす作用がある燥性の生薬は余計に乾いてしまい、咳が止まりにくくなってしまいます。 痰がある場合は、痰が水っぽくて多いのか、粘っこくて多いのか、へばりついてノドから出てこない痰なのか、痰の状態も重視します。 水っぽい痰の場合は、冷えた湿の性質、黄色く粘る痰は熱を持った性質・・・といった違いがあります。 市販薬にもあって、良く知られている咳の漢方薬と言えば、麦門冬湯でしょう。コンコンという乾燥したような空咳や、粘って出てこない痰の咳に使われます。処方構成は、麦門冬・半夏・大棗・人参・甘草・粳米となっています。方剤の名前にもある麦門冬が主薬で、肺を潤す潤肺作用があります。潤すことで粘膜を保護したり、粘った痰を吐き出させやすくします。半夏は気を降ろして咳が出ないようにする働きがありますが、麦門冬とは逆に燥性がありますので、潤す作用を減弱してしまうことがあります。大棗・人参・粳米は、滋養のために配合されています。 麦門冬湯から大棗を抜いて、竹葉と石膏を足したものが竹葉石膏湯です。竹葉と石膏は清熱作用があり、また石膏は乾きを止める働きがある生薬です。舌や痰が黄色かったり、口の渇き、熱感を伴う空咳には麦門冬湯よりこちらの方が良いでしょう。石膏は胃を冷やすので、胃腸が冷えに弱い方は不向きの場合があります。 他に空咳に使う漢方薬には、滋陰降火湯があります。こちらは、当帰・芍薬・地黄・天門冬・麦門冬・陳皮・白朮・知母・黄柏・甘草で構成されていて、半夏は入っていません。乾燥感が強く、潤す作用を優先したい咳に使います。地黄や天門冬など潤す薬草が増えた分、麦門冬湯よりも潤す働きは強く、また清熱作用がある知母や黄柏が入っているので、熱によって乾燥した空咳、粘る痰に使います。しかし、潤す作用が強くなった分、舌に苔がベットリついている痰湿体質の人や、下痢しやすい人、胃もたれしやすい人には不向きです。 また、特に激しい咳の場合は、麻黄という生薬が入った漢方薬を良く使います。例えば、五虎湯(麻黄・杏仁・石膏・甘草・桑白皮)や麻杏甘石湯(麻黄・杏仁・甘草・石膏)で、気管支喘息の適応があります。構成生薬を見ていただくと分かりますが、五虎湯は麻杏甘石湯に桑白皮が配合されただけなので、ほとんど同じ処方です。風寒の風邪に使う麻黄湯(麻黄・杏仁・桂皮・甘草)にも似ていますが、五虎湯と麻杏甘石湯には、肺熱を取るための石膏が配合されているので、麻黄湯に入っている桂皮は温める作用によって効果が減弱するので、抜いてあるのが異なる点になります。麻黄には気管支を広げる働きがありますので、気管支が詰まってせき込む場合にはとても有効です。 麻黄が入っている咳の漢方薬は他にもいろいろあり、神秘湯(麻黄・杏仁・厚朴・陳皮・甘草・柴胡。蘇葉)や小青竜湯(麻黄・芍薬・乾姜・甘草・桂皮・細辛・五味子・半夏)などがあります。小青竜湯には、小青竜湯加石膏や小青竜湯合麻杏甘石湯などの合剤もあります。小青竜湯自体は乾姜や桂皮、細辛などが入っているので、麻杏甘石湯とは異なり、肺寒による咳に用います。薄い水っぽい痰が多く出る咳です。ではなぜ、石膏など冷やすものを合わせている方剤があるのかというと、冷えた水(水飲)が化熱して、口渇の症状を伴う場合に小青竜湯加石膏や小青竜湯合麻杏甘石湯を使うのです。 麻黄が入った製剤は、血圧が高くなる場合もありますので、特に高齢の方は気を付けて使う必要があります。 風邪の後の咳というよりも、もっと長く続いていて、慢性的になっている症状の場合は、胃腸の働きや自身の自然治癒力の低下(正気不足)も考慮しなければなりません。 胃腸と咳の症状は、一見何の関係もなさそうですが、胃腸は後天の本と言われ、元気(正気)の源をつかさどる臓器です。また、腸は現代医学でもアレルギー体質と関わりが深いことが分かってきていますので、あながち東洋医学が全く見当はずれな治療をしているわけではないことはお分かりいただけると思います。 他にも咳の症状に応用できる漢方薬はたくさんありますが、長くなりますので、別の機会に紹介したいと思います。 長引く咳、病院の薬での治らない咳にお悩みの方は、是非一度ご相談くださいね。