こだま堂漢方薬局

「多摩市の漢方薬局」「府中市の漢方薬局」漢方専門薬剤師が一人一人の体調・体質に合わせて漢方薬の調合をおこなっております。薬だけに頼らず、可視総合光線療法を取り入れ自己治癒力を高めることをモットーにしています。健康相談や健康食品・ハーブのお取り寄せもおこなっておりますのでお気軽にお立ち寄り下さい。

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普段の日光浴では足りない?可視総合光線療法を活用しよう!

火曜日, 12月 19th, 2023

日光浴でビタミンDが合成されるのはよく知られていますが、では具体的にどのくらい浴びる必要があるのでしょうか?
日光浴は自然な方法でビタミンDを合成し、健康を促進する重要な活動です。さらに、「可視総合光線療法」を活用することで、日光浴だけでは得られない健康効果を享受することも可能です。
しかし、適切な量と方法で日光を浴びることが重要です。
この記事では、ビタミンDの合成に必要な日光浴の量、季節や地域による違い、および「可視総合光線療法」を含む日光浴の最適な方法について解説します。 『光の力で健康を取り戻す!こだま堂漢方薬局の可視総合光線療法ガイド』へリンク →

『日光浴によるビタミンD合成の必要性』

ビタミンDは骨の健康、免疫システムの強化、および多くの重要な体の機能をサポートするために不可欠です。
国立環境研究所のHPによると、1日に最低限必要なビタミンDは5.5μgですが、これはあくまで最低限であり、実際にはより多くのビタミンDが必要です。
『若者の骨粗鬆症増加:紫外線対策とビタミンDの重要性』へリンク →

『地域別の日光浴の必要時間』

冬季の正午時における日光浴の必要時間は地域によって大きく異なります。
例えば、那覇では8分、筑波では22分、札幌では76分が必要とされています。
これは顔と手足が日光に晒されることを前提とした計算です。
しかし、この5.5μgというのは、本来日光浴もしていて、食事で得るべき最低目安量のはずで、身体にとっての本当の必要量には全く足りません。

『日光浴の健康への影響』

ビタミンDの血中濃度は40~80ng/mlが健康の理想値とされています。
しかし、日本のような地域では手と顔だけでの日光浴では不足し、多くの人がビタミンD不足に直面しています。
実際に血液検査を行ってみると、ビタミンDのサプリメントや薬を飲んでいない人では、その数値まで足りている人がまず見当たらないのです。
とはいえ、日光に当たりすぎると肌が黒くなってしまい、ビタミンDの生成効率を低下させるため、適切なバランスが求められます。
『漢方と日照量不足によるうつ病へのアプローチ』へリンク →

『季節に応じた日光浴の戦略』

日光浴によるビタミンDの合成は季節によっても変わります。
冬季には日光浴の時間を増やす必要がありますが、実際には日差しの持続時間が短く、また寒さのため実行が難しい場合があります。
最大限のビタミンDを日光浴で補おうとした場合ですが、冬の那覇で144分、筑波で396分、札幌で1368分となり、しかも正午の日差しはそんなに長い時間維持できませんので、現実的ではありません。
日光に当たる面積を増やすことで、その時間は短縮できますが、冬も暖かい那覇ならともかく、それ以外の地域では寒くて難しいでしょう。
夏季は短時間で足りますが、暑さが障害となることも。春や秋は日光浴に最適な季節と言えます。
そうすると、春や秋は日光浴に最適ですから、積極的に浴びたいものです。

『補足的なビタミンDの摂取』

日光浴だけではビタミンDを十分に摂取できない場合、食品やサプリメントからの補足が必要です。
また、光線治療はサプリメントだけでは改善しない症状に対して効果を示すことが多く、総合的な健康管理の一環として検討する価値があります。
ビタミンDは、骨形成やカルシウムの調整、免疫、血糖値、コレステロール値など様々な役割がありますが、日光浴で得られるのはその限りではないのでしょう。

『【ビタミンDの摂取量】日光浴で足りない?可視総合光線療法で補うには?』まとめ

日光・・・可視光線に当たることは、ビタミンDの合成だけではなく、様々な健康維持に寄与しているということです。
人間も自然の中で進化してきた動物の一種ですから、自然の恵みを授かることは大切だと感じます。
出来る範囲で日光浴をしていただき、普段当たることが出来ない部位には、光線治療も活用してみて下さい。
『可視総合光線療法』へリンク →

ビタミンAの重要性と不足時のリスク

金曜日, 12月 15th, 2023

多摩市 漢方 ビタミンAの重要性と不足時のリスク

『ビタミンAとは? 身体に不可欠な栄養素』

ビタミンAは視覚維持、免疫強化、細胞成長に必須で、網膜で光を脳に伝える役割があります。
不足は夜盲症やもうしょうやドライアイなどの眼の問題や、感染症リスク増加に繋がりますが、食品由来のビタミンAの過剰摂取が催奇形性に関連するとの誤解があります。
特にレバーやウナギを含む食品がビタミンA源ですが、苦手な人や菜食主義者は注意が必要です。
「ビタミンAとは? 身体に不可欠な栄養素」でその重要性、不足リスク、摂取方法を解説します。

ビタミンAの役割

ビタミンAってどんなことに役立つ栄養素かご存じですか?
最も重要な役割は「視覚」、網膜の細胞に存在し、光を吸収して脳に伝える過程を担うことです。

ビタミンA不足時の症状

ビタミンAが不足すると起こる症状として、夜盲症やもうしょうや眼の乾きがあります。
眼の乾きはドライアイと診断されると、主に目薬(人工涙液)を処方されてこまめに目薬と指して乾燥を予防するように指導されますね。
ですが、夜盲症やもうしょうは自分では気づきにくいのではないでしょうか?
夜盲症やもうしょうは、昔はトリ目とも言われ、字の通り夜の暗いところなどで、見えにくくなる症状です。
現代は夜でも明るく過ごせるので、たまには暗いところでの目の見え方も気にしてみてください。

ビタミンAの摂取方法と注意点

ビタミンAが不足するとなぜ目が乾きやすくなるのでしょうか?
それはビタミンAが細胞の成長や分化に関わるので、特に新陳代謝の早い粘膜はその影響を受けやすいのです。
ですので、目に限らず、気道の粘膜も乾燥しやすくなるので、感染症にかかりやすくなりますし、難治性の貧血や癌の原因になることもあります。
先進国では重度のビタミンA不足になることはまれですが、レバーやウナギが苦手だったり、菜食主義の方は不足しやすくなります。
カウンセリング時に食事内容や好みなどを聞くと、レバーは苦手な方が多いので、不足している方は多いかもしれません。

『血が足りないと精神を病む?』へリンク →

『ビタミンAの重要性と不足時のリスク』 まとめ

ビタミンAを補給する昔ながらのお薬には「ヤツメウナギ キモの油」があります。
医薬品としての効能・効果は、目の乾燥感、夜盲症(とり目)、妊娠授乳期、病中病後の体力低下時、発育期のビタミンAの補給です。
カプセルの中にはビタミンAを含む油が入っているので、空腹時では無く食後に服用します。
あまり注目されることがなく、誤解も多いビタミンAですが、どのビタミンも身体にとって必要なものです。
食生活や体調を見直して、足りてないなと思ったら、補充するように心がけましょう。
『こだま堂漢方薬局 よくある相談』へリンク →

【新生児黄疸と光線治療の効果】入院するなら窓際がオススメ?

火曜日, 12月 12th, 2023

【新生児黄疸と光線治療の効果】入院するなら窓際がオススメ?

新生児黄疸の赤ちゃんには、光線(青色や緑色の光)による治療をすることはご存じでしょうか?
新生児はまだ肝臓の機能が未発達で、高ビリルビン血症を起こしやすく、90%が黄疸になります。
しかし、改善されない場合には光線治療が効果的です。光線を素肌に当てると水溶性のビリルビンに変化し、尿からの排泄を促して症状を改善させることができます。

ちなみに現在ではあまり聞きませんが、新生児黄疸に使う漢方薬もあります。
下剤の作用がある漢方薬を飲ませて、早く胎便を出させ、黄疸の予防とします。
昔は生まれた赤ちゃんにはみんな飲ませていたそうですが、生まれてたてなのにマズイ漢方薬を飲まされるなんて、びっくりしそうですね。

『光線治療の原理』

光線治療は、青色や緑色の光を用いて水溶性のビリルビンに変化させ、尿から排泄を促す方法です。これにより、黄疸の症状が効果的に改善されます。
『光の力で健康を取り戻す!こだま堂漢方薬局の可視総合光線療法ガイド』へリンク →

『漢方薬による治療』

過去には、新生児黄疸の治療として漢方薬も使用されていました。これは、下剤の作用により早期に胎便を排出させ、黄疸を予防する方法です。

『光線治療の発見』

光線治療は1958年にイギリスでクレマー医師と看護師によって発見されました。
窓際のベッドで日光に当たった赤ちゃんが早く黄疸が改善したことから、日光浴や蛍光灯の光が治療に効果的であることが明らかになりました。
それからどの波長の光線が効率よく黄疸を改善するのかが研究され、現在の治療に至るというわけです。
医師と看護師が窓際の赤ちゃんの方が早く黄疸が治ることに気づかなければ、未だに危険を伴う交換輸血しか方法がなかったかもしれません。

『日光浴の歴史的背景』

過去には日光浴が結核などの病気の治療に利用されていました。
結核のサナトリウムは、日光が豊富な場所に設置され、日光浴が治療の重要な部分を占めていました。
当時は抗生物質がなく、結核の治療法が確立されていませんでしたから、栄養があるものを食べて、空気がきれいなところで日光浴をするのが最善の治療だったのでしょう。
現代ではその逆で、日焼けによる皮膚がんの危険性など、むしろ日光を悪者にしていますが、
実際のところ、日本人の場合、最もたちが悪い皮膚がんである悪性黒色腫は、足の裏にできるケースが多い
ので、必ずしもすべての皮膚がんの原因になっているわけではありません。
『漢方と日照量不足によるうつ病へのアプローチ』へリンク →

『【新生児黄疸と光線治療の効果】入院するなら窓際がオススメ?』まとめ

新生児黄疸の治療において、光線治療は有効な方法の一つです。
日光に当たることで作られるビタミンDは、骨を丈夫にするだけでなく、免疫力を上げ、インスリンの分泌の調整にも関わっていますが、ほとんどの方で必要量が足りていません。
伝統的な生活をしているマサイ族の血中ビタミンDが理想値の約50ng/mlを維持しているそうなので、我々日本人では相当な日光浴が必要です。
ビタミンDは抗菌ペプチドを誘導し、それは特に結核菌に対してのマクロファージの抗菌作用を増強する作用があるので、昔の日光浴設備付きのサナトリウムは理にかなったものだったのです。
また、日光を浴びることで自律神経も整うので、寝ていることが多い入院中は、体内リズムを正常に保つためにも窓際の方が良いかもしれません。
もし窓際のベッドに入院できたらラッキー!と思って、心地よい日差しを浴びて早く病気が良くなるといいですね!(窓際でない人は動けるなら日光浴をしに移動しましょう!)
現代医学では、光線治療による新生児黄疸の管理が広く推奨されており、その効果は多くの赤ちゃんにとって恩恵となっています。


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【風熱邪対策!保存版】正しい漢方薬の選び方

金曜日, 12月 8th, 2023

【風熱邪対策!保存版】正しい漢方薬の選び方

 本記事では、風寒邪ふうかんじゃ風熱邪ふうねつじゃに対する漢方薬の選び方について紹介します。
日本では風寒邪ふうかんじゃに対して葛根湯がよく用いられますが、風熱邪ふうねつじゃには銀翹散ぎんぎょうさん駆風解毒湯くふうげどくとうが適しています。
これらの違いは、日本と中国で異なる体質傾向に基づいています。日本人の冷え体質と中国人の熱体質の違いが、風邪のタイプに影響を及ぼしています。

たしかに、昔の中国の方は冷やすことに対して、日本人より敏感で、生野菜は食べず、冷たいお茶は身体に悪いと言って飲まないですし、日本で冬にスカートをはいている女性がいることにびっくりしたという話を良く聞きました。(でも最近の若い中国の方はそうでもないかもしれませんね)
風邪の初期症状を撃退!「風寒邪」に効く漢方薬の選び方と注意点 →

風熱邪ふうねつじゃとは』

風熱邪ふうねつじゃは、寒気の代わりに顔や頭のほてり、強いノドの痛みや鼻づまりなどの炎症症状が特徴です。
布団にくるまって寝ていたいというよりも、暑苦しくて薄着になりたい、冷たい果物などを食べたくなるような症状です。

 日本では風邪=葛根湯と思われているので、この症状に葛根湯を使ったら大変なことになります。
誤って風寒邪ふうかんじゃの治療に用いる葛根湯を使用すると、症状を悪化させる可能性があります。
風熱邪ふうねつじゃの症状の人に葛根湯を使ったら余計に熱をもってうなされ、場合によっては蓄膿症や中耳炎など、ひどい炎症を起こすかもしれません。
葛根湯は冷えて閉塞した表皮を温めて汗をかく(発表させる)ことで病邪を追い出すので、熱いときには、清熱薬を使って冷ますことが重要なのです。
この「熱い」「寒い」は、体温計で測った数値は関係ありません。あくまでも体感で判断します。

漢方薬の選び方

風熱邪ふうねつじゃには清熱薬が適しており、銀翹散ぎんぎょうさん駆風解毒湯くふうげどくとうが推奨されます。
これらの漢方薬は、熱を放散させることで治療を行います。銀翹散ぎんぎょうさんは即効性があり、駆風解毒湯くふうげどくとうは特にノドの痛みに効果的です。
  1. 即効性の「銀翹散ぎんぎょうさん

    銀翹散ぎんぎょうさんは、古来より日本で使われてきた漢方薬ではなく、近年に中国から日本へ入ってきた中成薬と呼ばれる漢方薬になりますので、それだけ風熱の風邪は重視されてこなかったのかもしれません。
    銀翹散ぎんぎょうさんは、金銀花きんぎんか連翹れんぎょ薄荷はっか淡豆鼓たんずし荊芥けいがい淡竹葉たんちくよう芦根ろこん牛蒡子ごぼうし桔梗ききょう甘草かんぞうで構成されていて、こちらも主に病邪を追い出すための発表作用がある生薬になりますが、漢方薬の分類としては「辛涼解表薬しりょうげひょうやく」になります。
    この辛涼解表薬しりょうげひょうやくの発表作用は、温めずに熱を放散させ、消炎作用を発揮します。エキス顆粒の銀翹散ぎんぎょうさんを溶かして飲むと、薬が通過した瞬間にノドの痛みが軽減するのが分かるくらい即効性があります。 同じ発表作用でも、葛根湯に含まれる麻黄は「辛温解表薬」に分類され、温めながら病邪を追い出すか、冷ましながら病邪を追い出すかの違いになります。
  2. 効果的な「駆風解毒湯くふうげどくとう

    駆風解毒湯くふうげどくとうは、防風、牛蒡子ごぼうし連翹れんぎょ荊芥けいがい羗活きょうかつ甘草かんぞう桔梗ききょう、石膏で構成されています。
    比べてみると分かりますが、半分くらいは銀翹散ぎんぎょうさんと同じです。石膏は強力な清熱作用があり、渇きを潤します。
    防風と羗活きょうかつは温性の解表薬ですが、止痛作用があるので、銀翹散ぎんぎょうさんよりもノドの痛みに特化した漢方薬と言えるかもしれません。
コロナ禍で風邪を引かないための効果的な漢方薬 →

「風邪に使う漢方薬」ひとくちメモ

麻黄湯まおうとうから桂皮を抜いて、石膏を加えた麻杏甘石湯まきょうかんせきとう(麻黄・杏仁・石膏・甘草かんぞう)という咳に使う漢方薬があります。
辛温解表薬の麻黄と清熱薬の石膏が入っていて、作用はどっち??と思われそうですが、麻黄と石膏を組み合わせると麻黄の温性が弱まり、残った発表作用が石膏の清熱を強める・・・とされていて、肺熱の咳に用いる漢方薬となっています。(諸説あります)

また、少し漢方に詳しい方でしたら、「黄連解毒湯は清熱薬なのに何故 風熱邪ふうねつじゃに使わないの?」と思うかもしれません。絶対に使わないというわけではないのですが、黄連解毒湯の清熱薬には発表作用がないので、風の性質がある邪気には向いていないということがあります。(発表作用がある漢方薬と合わせて使うなどはあります)

こだま堂を開業する前ですが、仕事中になんだか頭が熱っぽくなってきてしまい、風邪かな、早退した方がいいかな?・・・という状況になったことがありました。
ちょうど職場に駆風解毒湯くふうげどくとうのエキス顆粒が売っていたので、それを購入して1包服用したら、30分も経たないうちにすっかり熱っぽさがなくなり、そのまま何もなく定時まで仕事ができた、という経験があります。
エキス顆粒でも早いタイミングで合った漢方薬を飲めば、とても良く効くことに驚きました。
咳の症状に使う漢方薬 →

風熱邪ふうねつじゃ対策!保存版】正しい漢方薬の選び方 まとめ

風邪の治療においては、体質や風邪のタイプを正確に理解し、適切な漢方薬を選択することが重要です。
風熱邪ふうねつじゃには銀翹散ぎんぎょうさん駆風解毒湯くふうげどくとうを用いることで、症状の改善が期待できます。
また、体の変化に柔軟に対応し、適切な時期に漢方薬を切り替えることが、風邪の効率的な治療に繋がります。
例えば、インフルエンザなどは、初期は寒気や節々の痛みだったのに、途中から熱っぽい熱さに変わる事もあります。
そのようなときは変化に合わせて使う漢方薬を変えなければなりません。
いつも身体の様子に気を配って、柔軟に漢方薬を使いこなせるようになると、風邪症状は自分ですぐに治せるようになると思います。

子供の近視予防に効果的?可視総合光線の健康効果を解明( 多摩市漢方 / 府中市漢方 )

火曜日, 12月 5th, 2023

多摩市 漢方 子供の近視予防に効果的?可視総合光線の健康効果を解明

11月28日に文部科学省が学校保健統計調査を発表した際に、子供の近視の増加について、ニュースになりました。
裸眼の視力が1.0以下の子供たちが、小学生37.9%、中学生61.2%、高校生71.6%とのことで、過去最高となっているそうです。
私自身も高校生の頃には裸眼で1.0はなかったですが、小学生の頃に眼鏡をかけている子はほとんどいなかったような記憶がありますので、相当増えているのかな?と感じました。
『可視総合光線療法の効果』へリンク→

『子供の近視増加への対策:バイオレットライトとその先の科学』

多くの方が予想するように、テレビ、スマホ、タブレットなどモニター画面の見過ぎが一番の理由と考えられますが、意外に思われるのが「外遊びの減少」です。
昔から、外遊びが多い子の方が近視になりにくいことが統計で分かってはいたのですが、それがなぜなのか?は良く分かっていませんでした。
それが近年、慶應義塾大学の研究により、日光に含まれる紫色の波長の光(360~400nm)が近視を抑制する効果があることが、世界で初めて発見されたのです。
この波長の光は、紫外線に近い波長のため、室内にはほとんど届かず、また通常の照明で使われるLEDの光にも含まれていません。
そこに着眼して、子供の目の健康のために「バイオレットライト」の照明器具の利用などが考案されています。
その照明器具の下で、勉強したり、本を読んだりすることで、近視の進行が抑制できる、というわけです。

しかし・・・紫色の光だけがいいのでしょうか?
網膜に対する光の作用についての研究で、ミトコンドリア機能を改善することで知られる赤色の光(650nm~1000nm)のうち、670nmの光を2週間毎日3分間暴露することで40歳以上の人に網膜機能の改善が見られたという報告があります。(2020年米国) 新陳代謝の激しい網膜の細胞には、ミトコンドリアが高密度に存在し、エネルギーを供給しているのです。
そうすると、紫色の光だけが目に良いわけではなく、赤色の光もその健康効果に寄与しているわけですし、もしかしたらまだ健康効果が分かっていない光の色にも良い効果があるかもしれません。
医薬品もそうですが、天然の薬草から何の成分が効果があるのか、単一の成分を抽出・分析することは重要です。その方が効き目が強化され、目的の疾患を早く治すことができます。
しかし、単一の成分にして利用することで、副作用が強くなったり、もとの薬草には存在した他の良い作用が無くなってしまうこともあります。
ある波長の光だけを浴びるのではなく、様々な波長の光を含んだ可視総合光線の健康効果は、未知数に期待できるのではないでしょうか?
皆さんも、ぜひ可視総合光線(もちろん日光でもOK!)に当たるようにしてみてくださいね!子供たちがもっと外で遊ぶように連れ出すようにしましょう!
『光線治療の陽性反応について知ろう(可視総合光線療法の治療/漢方)』へリンク→

風邪の初期症状を撃退!「風寒邪」に効く漢方薬の選び方と注意点

土曜日, 12月 2nd, 2023

風邪の初期症状を撃退!「風寒邪」に効く漢方薬の選び方と注意点

11月5日のブログで、風邪症状に使う漢方薬について簡単に説明しましたが、その中の「風寒邪の風邪」に使う漢方薬について、もう少し詳しくご紹介したいと思います。
冬の寒さが深まるにつれ、風邪を引きやすくなる季節がやってきます。
特に「風寒邪」による風邪は、ぞくぞくする寒気や関節痛など、独特の初期症状を伴います。このような症状に効果的なのが、漢方薬による治療です。
漢方では、麻黄湯、桂麻各半湯、葛根湯などの方剤が風寒邪の風邪に推奨されています。これらの生薬は体を温め、発汗を促して風邪の症状を緩和します。
しかし、これらの漢方薬を選択する際には、自身の体質や現在の症状を考慮することが重要です。
『11/5のブログ | コロナ禍で風邪を引かないための効果的な漢方薬:症状別の選び方』へリンク→

『風寒邪の風邪に効く漢方薬: 麻黄湯・桂麻各半湯・葛根湯の選び方と効果』

寒さに当たると、体表は熱が逃げないように閉塞するので、鳥肌が立って汗が出なくなりますね。
風寒邪の風邪も、初期は汗が出ないことが多いです。
ですので、体表を温めて発汗させ、風寒邪を発散して除去する治療をします。

体表面を温める薬草は、麻黄、桂皮、生姜などがあり、特に麻黄は発汗作用に優れた生薬です。
この時に良く使われるのは、麻黄湯、桂麻各半湯(麻黄湯+桂枝湯)、葛根湯、麻黄附子細辛湯など、麻黄が入った方剤です。
どの方剤を使っても、風寒邪の風邪であることを見誤らなければ、大きな問題はないと思いますが、より的確に使うのであれば、コツがあります。
『冷え性改善のための養生法:東洋医学に基づく効果的な対策』へリンク→

『麻黄湯の成分と効能: 風邪の初期症状に対する強力な発表剤とその使用法』

麻黄湯はシンプルな方剤で、
麻黄4・杏仁4・桂皮3・甘草1.5が配合されています。
漢方薬の場合、薬味が少ないほど、各々の生薬の効き目が強く発揮されます。
麻黄は発散力(発表といいます)が強い生薬で、その作用を強くするために桂皮が入っており、麻黄湯は強い発表剤となります。
基本的には、長期に使う漢方薬ではなく、風邪の初期症状の寒気が緩和され、汗が出はじめたら服用を中止します。
汗をかきすぎると脱水などで体力が奪われるからです。服用期間は半日~1日くらいです。

『桂麻各半湯の効果と適用:風邪から皮膚病まで対応する漢方の選択肢』

桂麻各半湯は、麻黄湯と桂枝湯2種類の方剤を合わせて割ったものですので、
桂皮3.5・芍薬2・生姜1・甘草2・麻黄2・大棗2・杏仁2.5の生薬が配合されています。
比べてみると分かりますが、麻黄湯よりも麻黄の量は少なくなります。
桂皮も発汗作用があるのですが、麻黄と比べると弱く、また身体が弱っているときに体力を補うための大棗(なつめ)が入っています。

麻黄湯では発表作用が強すぎる場合や発汗が続かないので少し継続して使いたい場合に服用します。
この発表作用は、病邪を追い出すエネルギーにもなるので、風邪だけではなく、表皮に病邪がこもってしまうような皮膚病・・・
例えば、湿疹やじんましんなどの皮膚のかゆみに使う場合もあります。
しかし、発表することで一時的に皮膚病が悪化する場合もあり、その見極めは専門家でもかなり難しいです。
『咳の症状に使う漢方薬』へリンク→

『葛根湯の全成分と効能:風邪、肩こり、筋肉のこりに対する最適な漢方選択』

最も有名な風邪の漢方薬と言えば、葛根湯でしょう。
葛根湯は、葛根6・麻黄4・生姜1・大棗4・桂皮3・芍薬3・甘草2が配合されています。
麻黄湯と同じ量の麻黄が入っているので、発表作用は強めですが、大棗を入れることで体力が補えるようにしています。
葛根湯の名前でもある葛根は葛の根です。葛根と芍薬が首肩や背中のこわばり(筋肉のこり)をほぐす作用があります。寒気で肩や背中がこわばるときには麻黄湯よりも葛根湯の方が良いでしょう。
風邪とは関係なく、肩こりの緩和に使う場合もあり、良く効きますが、常用すると麻黄の作用で血圧が上がりやすくなるので、頼りすぎないようにしてください。(肩こり改善の漢方薬では、活血薬や理気薬などを使いますが、また別の機会に紹介したいと思います)
葛根は身近なところでは葛湯があります。
葛根湯の葛根と違って精製されていますので、同じ効能ではありませんが、葛湯はとても温まりますし、腹持ちが良いので、風邪の養生にオススメです。(馬鈴薯澱粉の葛湯が多いので、本当の葛粉が使われているか、表示を良く見て購入しましょう!)

『麻黄附子細辛湯:冷え性と虚弱体質向けの温め効果と適切な使用シナリオ』

麻黄附子細辛湯は、
麻黄3・細辛3・附子1が配合されており、麻黄湯よりも薬味が少ない処方です。
こちらはどのような人に使うかというと、日ごろから冷えて温める力がない体質に使います。
附子はトリカブトの塊根で、温裏薬と呼ばれる温める作用の強い生薬です。麻黄で発汗させようとしても、もともとの温める力がないので、うまく発表作用が働きません。
附子や細辛の温める働きの助けで、麻黄の効き目を発揮させています。
冷え性の高齢者や虚弱体質の人に使えるように、麻黄湯よりも麻黄の量を少なくしているのです。
似たような漢方薬ですが、麻黄湯はすぐに体を温めて発汗できる子供や比較的体力のある人、麻黄附子細辛湯は温める力もない虚弱体質の人に使うというイメージです。

また、麻黄が入った漢方薬では、動悸がしたり、眠れなくなる、強すぎると感じる方もいらっしゃいます。その場合は、桂枝湯(桂皮3・芍薬3・大棗4・生姜1・甘草2)を使います。
桂皮は麻黄と比べると発表作用は弱いのですが、交感神経を刺激しないので、動悸の副作用がありません。汗が出始めても寒気が続く場合にも発汗させすぎないので続けて服用できます。
カフェインに過敏な方も、桂枝湯の方がオススメです。

『まとめ』

以上の漢方薬が、風寒邪の風邪の初期に良く使われるものです。
風邪は証の移り変わりが早く、初期・中期・後期(回復期)と服用する漢方薬が変わることが多いです。
特に初期の段階で身体の変化に気づき、早く服用すれば、寝込まずに軽く済むことが多いので、これらの漢方薬を上手に使っていただけると病院にいく機会も減らせると思います。
そして重要なことがひとつ!身体を温めて病邪を追い出すのが目的の漢方薬ですから、服用した後は布団に入って温まり、汗をかきやすくすることが大切です。ですので、せっかく漢方薬を飲んでもその後、寒い中外出したり、冷たいアイスクリームを食べたりしては、漢方薬の効果が発揮できません。古来の書物にもきちんと服用後のことまで書かれています。
布団に入れない場合は、せめて冷えないように厚着して、じんわり汗をかくように気を付けてくださいね。