2024.12.4
更年期障害というと、女性特有の症状と思われていますね。実は男性にも更年期障害があるのはご存じでしょうか?
男性の更年期障害も女性と同じく、体内の性ホルモンの低下によるものですが、女性と違って妊孕性のタイムリミットが決まっていないので個人差が大きく、ほとんど知られていないのが現状です。また、女性の場合は生理周期が乱れてくるなどの自覚症状があるので、そろそろ更年期だろうと自分で見当がつきやすいでしょう。
男性の更年期症状も女性のそれと似ていて、関節痛や筋肉痛、疲労感、発汗、不眠症、憂鬱、イライラする、不安感、精力減退などがあります。しかし、女性と違って体の変化が分かりにくいので、年のせいとか仕事の疲れかな?と思ったり、精神症状が強ければうつ病と誤診されてしまうこともあります。
厚生労働省の令和4年の統計によると、全体の自殺率としては男性が67.4%、女性が32.6%と男性の自殺率が女性の2倍となっています。年齢では男女ともに50~59歳が最も多く、男性の構成比として最も高くなるのは40~49歳で71.2%を占めるそうです。
40~50代は、男女共に更年期の年齢ですし、更年期障害に対して多くの治療の選択肢がある女性でも生活がままならないくらいの不調を訴える方が少なくないのです。男性の更年期障害が知られないままに無治療でいれば、男性の自殺率が女性と比べて異常に高いという結果がみられてもおかしくはないように感じます。
漢方の治療としては、保険診療では補中益気湯などの補気薬を用いることが多いのですが、中医学的には性ホルモンの低下は腎虚になりますので、補腎薬を用います。医療用の漢方薬には、本来の意味で補腎薬に当たるものがありません。そのため、値段は高価になりますが、鹿茸製剤など動物性生薬が配合された滋養強壮の漢方薬をつかうことになります。
性ホルモンの低下が著しい場合は、ホルモン補充療法の方が効果は早いです。しかし、効果が早い分、副作用もありますので、慎重に使用する必要があります。女性ホルモンの補充は、飲み薬や貼り薬、膣錠など様々な剤型があるのですが、男性ホルモンの補充には、病院では注射剤しかなく、他、市販の第一類医薬品の飲み薬・塗り薬しか選択肢がありません。
通常は月に1~2回、または週に1回毎に筋注して補充します。基本的には少量をこまめに投与することが推奨されます。1回のホルモン補充量が多くなってしまうと血中の男性ホルモンの量が生理的レベルを超えてしまいますし、投与間隔が長いと次の投与までに低くなりすぎて、血中ホルモン値の振れ幅が大きくなり、身体がその変化に対応しづらいからです。
その点、市販のホルモン剤は少量ずつ定期的に補充ができるメリットがあります。注射剤と比べて毎日補充しながら少しずつ血中濃度を上げていくので激しい変動がありません。調子が良くなってきたら、徐々に量や頻度を減らしていきます。注意点としては、前立腺肥大症など男性ホルモンで悪化する病気の方は利用できません。若いころよりも尿の出が悪くなってきた方は、健康診断のPSA(前立腺特異抗原)の数値が高くなっていないか確認してください。
こだま堂では12月から第一類医薬品の男性ホルモン製剤(内服・外用)を取り扱いを始めました。男性ホルモン製剤というと、精力増強薬という印象があり、そのようなご相談があまりないこともあって取り扱っていなかったのですが、思い返せば、今までのご相談の中に男性更年期障害に当てはまる方がいらしたたことに気づきました。ホルモン剤というと、作用が強そうで不安になる方もいらっしゃると思いますので、正しく安全に利用できるようにサポートします。男性の更年期障害でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
【男性更年期セルフチェック】
▢総合的に調子が思わしくない
▢関節や筋肉の痛み
▢ひどい発汗
▢睡眠の悩み
▢よく眠くなる・しばしば疲れを感じる
▢イライラする
▢神経質になった
▢不安感
▢体の疲労や行動力の減退
▢筋力の低下
▢憂鬱な気分
▢絶頂期を過ぎたと感じる
▢力尽きた・どん底にいると感じる
▢ひげの伸びが遅くなった
▢性的能力の衰え
▢早朝勃起の回数の減少
▢性欲の低下
当てはまる項目が多い方は要注意です。
当薬局では、お客様との対話を通して、一人一人の体質や生活習慣に合った漢方・健康養生法をご提案いたします。
※病院のお薬をご利用中の方はお薬手帳をお持ちください。
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