2024.10.4
現代医学では、痛みの対応として「解熱鎮痛薬」の使用が一般的です。
もちろん、痛みにもいろいろな原因がありますので、リウマチなどの膠原病の炎症にはステロイドを使ったり、片頭痛なら血管を収縮させる薬、運動器の痛みに麻酔薬を打つブロック注射など様々な治療方法があります。
東洋医学では、痛みの分類の仕方が独特で、患者さんの感覚を重視します。それについて分かりやすく説明したいと思います。
まず一つ目に重要なことは「温める」「冷やす」で痛みの具合がどのように変化するかということです。例えば、お風呂に入ると痛みが楽になる、逆に痛みが増すといった感覚です。もしくは患部に熱感があるかどうかも参考になります。温めると楽になる痛みは温性や熱性の薬草を使って痛みを緩和させ、温めると痛む場合には涼性や寒性の薬草を使う必要があります。温めても冷やしてもどちらも変わらない場合は、そこまで寒熱を考慮せず薬草を使うこともあります。(または寒熱夾雑証もあります)もし温めると痛みが増す症状に、熱性の漢方薬を使ったら大変なことになります。この寒熱を判別することは非常に重要なのです。
二つ目は「虚」「実」です。虚実の判別には二通りの考え方があり、一つは痛みの強さで、突然起こる激しい痛みは実であることが多く、慢性化してジワジワ痛むような鈍痛は虚の痛みが多いです。もう一つは気血津液の停滞か不足かの判別です。押すと痛みが増す(拒按)、圧迫感がある、しこりがあるなどは「不通則痛(ふつうそくつう)」と言われる気血津液の流れが悪く滞っていることが原因と考えます。この場合は実の痛みです。押すと気持ちが良い(喜按)、患部が軟弱、疲れると悪化する、女性であれば生理後半や生理後に起こりやすい症状などは「不栄則痛(ふえいそくつう)」と言って、患部に栄養が足りないことが修復不良を起こし、痛みが起こると考えますので、虚になります。
この「寒熱」「虚実」は痛みに限らずどんな症状に対しても重要な分析になりますが、同じ病気の痛みでもこの体質が異なれば使う漢方薬も違うということです。そして同じ人でも経過とともに「証」が変わる場合もあるので、ずっと同じ漢方薬でよいとも限りません。
例えば「実」に使う漢方薬は長期に使うと巡らせすぎて体質が「虚」に変化してしまう場合もありますし、はじめは清熱薬で良かった症状も冷やしすぎると良くない場合もあるので、注意が必要です。
当薬局では、お客様との対話を通して、一人一人の体質や生活習慣に合った漢方・健康養生法をご提案いたします。
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