2024.5.8
若いのに「疲れた~」が口癖の子はいませんか?
実は私(長峯友恵)もそういう子どもでした・・・。40代の今よりも「疲れた~」ばかり言っていたかもしれません。
子どもの疲れの原因もいくつかありますが、大人と決定的に違うのは「成長期である」ことです。
大人は成長が終わっているので、生きていくための気血津液と、余裕がある分を腎に精として補充し、元気を維持していますが、子どもはそれにプラスして「成長で使われる気血津液・精」が必要です。
子どもの場合、授乳期から幼少期にかけては「先天の精」の存在が大きいです。まだ生きている日数が少ないですから、後天の精を充足する時間はほとんどないわけです。先天の精を補える期間は、最短で妊娠する半年前からで、妊娠してからではありません。お母さんとお父さんの生命エネルギーによって赤ちゃんが作られますが、卵子は半年かけて成熟するのです。遺伝情報が正常に伝わるには、ミス無くDNAをコピーするための酵素、遺伝子を傷つけない抗酸化物質、エネルギーを生産するミトコンドリアの数などが関わります。現実的なことを言うと、その時期の栄養状態や生活習慣によって、ある程度の卵子や精子の質が決まってしまいます。例えば、葉酸は妊娠の3~6ヶ月前から摂取することで、一部の先天性の奇形を予防できることはよく知られています。(精子は卵子よりも短いサイクルで成熟するので、3ヶ月程度と考えても良いかもしれません。また、先天の精は先祖代々受け継いでいるものですから、親世代だけの問題でもありません)
小さい頃に、疲れやすい、虚弱体質、夜尿症、喘息、成長の遅れ、歯の抜け替わりが遅い・・・などがある場合、「先天の精」が不足していると考えて、高齢世代と同じく「補腎」の治療を合わせます。食事からの栄養摂取も好き嫌いが多い年齢なので、栄養の補充も合わせて「補腎」の治療をします。
また、大人と同じように夜更かしをしている子どもさんが増えています。子どもは小さな大人ではありません。幼少期は10時間以上の睡眠時間が必要です。寝る子は育つと言いますが、成長ホルモンは寝しなの90分間に最大量分泌されることが分かっていて、あながち迷信ではないです。
小学校高学年から高校生くらいにかけてのティーンエイジャーは、体調不良の相談が増えます。この年代はその前の成長期よりも、急激に身長が伸びたり、性成熟しますので、大人の最低2倍は栄養が必要です。たまに「うちの子は太っているから栄養は足りている」という親御さんもいらっしゃるのですが、肥満は栄養が足りている根拠にはなりません。不足しやすい栄養はビタミン・ミネラルで、太る要素にはなりません。あくまでも炭水化物に偏った食事をして肥満になっているのであって、新陳代謝も悪くなっている可能性があります。
多い訴えは、疲れやすい、寝起きが悪い、特に朝は調子が悪い、イライラしやすい、集中力が無いなどです。それが原因で学校に行けなかったり、勉強が遅れてしまう子、受験のタイミングを逃してしまう子もいます。
難しいのは、親の言うことを聞かなくなっている年代なので、飲みにくく、効果が出るのに時間がかかる漢方薬は飲んでくれないことも多いです。
ですが、ほぼ間違いなく栄養不足がベースにありますので、無理して漢方薬は使わずに、食事指導と不足しやすい栄養の補給だけでも、体調が良くなってくると思います。
成長期が過ぎると、成長に使われていた分の栄養を腎精の補充に充てることができるようになるので、自然に症状は収まってくることがほとんどです。ですが、その期間にロスした分はその後の体質に影響があるかもしれません。例えば10代に運動をしていた子とそうでない人は、その後の運動能力や骨密度などに影響があるそうです。具合が悪くて、休んでばかりいたことが、後に影響するのは、私自身も何となく感じます。
現代は大人が忙しすぎて、子どもに構ってあげられないことが増えているような気もします。
子どもが健康でいられるために、大人がもっと余裕のある社会になったらいいですね。
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